2017年09月27日

風ヶ丘五十円玉祭りの謎

まずはAmazonさんの紹介ページから。

夏祭りにやって来た、裏染天馬と袴田柚乃たち風ヶ丘高の面々。たこ焼き、かき氷、水ヨーヨー、どの屋台で買い物しても、お釣りが五十円玉ばかりだったのはなぜ?学食や教室、放課後や夏休みを舞台に、不思議に満ちた学園生活と裏染兄妹の鮮やかな推理を描く全五編。『体育館の殺人』『水族館の殺人』に続き、“若き平成のエラリー・クイーン”が贈るシリーズ第三弾は、連作短編集。

『体育館』と『水族館』、そして未文庫化の『図書館の殺人』直前までの
主人公たちの「日常の謎」を描く短編集。

表題作はもちろん『競作五十円玉二十枚の謎』のオマージュ。
ただし本家と違い、謎は比較的早くわかるかもしれません。
それよりラストの方が面白い。

あとは「おまけ」が気になりました。父親を嫌い家を出ている天馬ですが、
一応「会話」(という名の「推理」)はするようです。
裏染家の「謎」については『図書館の殺人』で少しは語られるのでしょうか。


風ヶ丘五十円玉祭りの謎 (創元推理文庫)

風ヶ丘五十円玉祭りの謎 (創元推理文庫)

  • 作者: 青崎 有吾
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2017/07/20
  • メディア: 文庫



風ヶ丘五十円玉祭りの謎 (創元推理文庫)

風ヶ丘五十円玉祭りの謎 (創元推理文庫)

  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2017/07/20
  • メディア: Kindle版
posted by コースケ at 23:42| Comment(5) | 青崎有吾 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年09月17日

四次元の花嫁

まずはAmazonさんの紹介ページから。

姿を見せない花嫁なんて、まさか、妄想じゃ――?

ブライダルフェアに遊びに来た女子大生・塚川亜由美と親友の聡子は、
会場で不思議な新郎・一柳と出会った。
スタッフのみどりによれば、彼は結婚式のドレスも日程も自分一人で決めて、
新婦は一度も現われていないのだという。
調査を依頼された亜由美だが、帰宅途中のみどりが何者かに襲われて……!?
表題作ほか「花嫁たちの袋小路」を収録。
大人気ロングランミステリー、「花嫁」シリーズ!

表題作では久しぶりに谷山准教授がほんのすこ~しだけ登場。
亜由美&准教授での探偵コンビも久しぶりに読んでみたいものです。

「花嫁たちの袋小路」は何気ない日常が一気に崩壊し、ドラマの世界かのような
事が突然自らに降ってくる、そんな物語です。
最後の大団円は相当に強引な気もしますが、そこが赤川ワールドなのでしょう。

「忙しい花嫁」以来の長編を今度期待します!




posted by コースケ at 18:11| Comment(4) | 赤川次郎 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年09月12日

満願

まずはAmazonさんの紹介ページから。

「もういいんです」人を殺めた女は控訴を取り下げ、静かに刑に服したが……。
鮮やかな幕切れに真の動機が浮上する表題作をはじめ、恋人との復縁を望む主人公が訪れる「死人宿」、美しき中学生姉妹による官能と戦慄の「柘榴」、ビジネスマンが最悪の状況に直面する息詰まる傑作「万灯」他、「夜警」「関守」の全六篇を収録。
史上初めての三冠を達成したミステリー短篇集の金字塔。山本周五郎賞受賞。

更新がちょっと止まっていました。
ドラクエのせいです(笑

さて米澤穂信先生の作品は古典部シリーズを主に読んでいますが、
ノンシリーズは初かもしれません。

ミステリーなのですが、各話を覆うどこか薄暗い、もの悲しいのが特徴です。
「夜警」は個人的にかなり好きな作品です。殉職した川藤警部補の裏に
隠された謎とは・・・柳岡の推理が行き着いた先とは。

ホラーミステリともいえる「関守」
次々と事故が起き人が亡くなるという峠を取材に来た一人のライターと
ドライブインの老婆が主な登場人物で、老婆の一人語りのような形で
物語は進みます。本作もいったいどういう結末を見せるのか、
読んでいて楽しみだったのですが、その気持ちは裏切られませんでした。

「万灯」はあるビジネスマンが陥った悲劇(あるいは自業自得)
意外な所から足がついてしまうという作品です。

他作品もかなりおもしろく読め、ちょっとノンシリーズにも
手を出したくなりました。


満願 (新潮文庫)

満願 (新潮文庫)

  • 作者: 米澤 穂信
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2017/07/28
  • メディア: 文庫



満願

満願

  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2014/03/20
  • メディア: Kindle版
posted by コースケ at 21:07| Comment(3) | 米澤穂信 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年09月01日

歴女美人探偵アルキメデス―大河伝説殺人紀行

まずはAmazonさんの紹介ページから。

美人歴史学者の静香、ひとみ、東子(はるこ)の三人が集まるウォーキングの会
〈アルキ女(メ)デス〉の旅の目的地はなぜか川。
北海道の石狩川の岸を歩く三人の目前に、川を仰向けになり流れる女性の姿が。
幸いにして救出され一命を取りとめるが、その女性の夫は数日前に不審な溺死を遂げていた。
事故か事件か、彼女たちの推理は露天風呂でひらめく!?
傑作トラベル歴史ミステリー。

シリーズ第3弾。
今回は河川を舞台としています。
探偵役の早乙女静香、さりげなくヒントを出す桜川東子、物語の登場人物に恋をして、
かつコメディリリーフ的立場である(笑)翁ひとみ。
彼女たち三人が旅する所、事件あり。

本書ではこの必ず殺人事件が起こるという事実を逆手にとって、
彼女たちが遭遇した事件を小説にしている作家がいると物語で語られます。
金田一耕助の「成城の先生」か浅見光彦の「軽井沢のセンセ」等のように、
今後物語に登場してくるのでしょうか?

犯人が絶対に(といって良いと思いますが)合理的に見抜けないのは「石狩川殺人紀行」
これは意外だった。

本シリーズは新たなトラベルミステリーとして確立してほしいと思います。
ミステリ初心者でも気軽に読めて、かつ楽しめる。

しかしもし2時間ドラマになったら配役はどうなるのか・・・


歴女美人探偵アルキメデス 大河伝説殺人紀行 (実業之日本社文庫)

歴女美人探偵アルキメデス 大河伝説殺人紀行 (実業之日本社文庫)

  • 作者: 鯨 統一郎
  • 出版社/メーカー: 実業之日本社
  • 発売日: 2017/08/05
  • メディア: 文庫
posted by コースケ at 22:59| Comment(4) | 鯨統一郎 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする