謎の宗教団体・BT教団の施設だった二つの館の建つ伽藍島。リーマン予想解決に関わる講演会のため訪れた、放浪の数学者・十和田只人と天才・善知鳥神、宮司兄妹。その夜、ともに招かれた数学者二人が不可能と思われる“瞬間移動”殺人の犠牲となる。秘められた不穏な物語がさらに動く“堂”シリーズ第四弾。
本シリーズは森博嗣氏の<真賀田四季>的な立場である善知鳥神と探偵役である十和田只人、
さらには宮司兄妹の物語なんだろうと思ってきました。
しかし、シリーズ最初から登場する数学界の天皇・藤衛<藤天皇>が本書では大きく
クローズアップされ、本シリーズの見方がかなり変わりました。
それは本書の結末を読めば否応なくわかります。
トリックそのものは、本シリーズを読んでいれば多少は予想できるものの、
相変わらずアクロバティックです。
もはやこのシリーズで島が廻ることなど、驚きもしません(笑
本書でのラストを読んで、次作がますます楽しみになりました。

伽藍堂の殺人 ~Banach-Tarski Paradox~ (講談社文庫)
- 作者: 周木 律
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2017/09/13
- メディア: 文庫

伽藍堂の殺人 ~Banach-Tarski Paradox~ 数学者十和田只人 (講談社文庫)
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2017/09/14
- メディア: Kindle版