2017年12月31日

ぼくのこのミス2017

今年も大晦日になりました。
2017年に読んだ私なりの「このミス」を。

周木律「眼球堂の殺人~The Book~」
 館シリーズ、S&Mシリーズの系譜を継ぐ、堂シリーズ。
 完結まで目が離せません。

眼球堂の殺人 ~The Book~ (講談社文庫)

眼球堂の殺人 ~The Book~ (講談社文庫)

  • 作者: 周木 律
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2016/09/15
  • メディア: 文庫



眼球堂の殺人 ~The Book~ 堂シリーズ (講談社文庫)

眼球堂の殺人 ~The Book~ 堂シリーズ (講談社文庫)

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2016/09/15
  • メディア: Kindle版



大倉崇裕「蜂に魅かれた容疑者」
 警視庁生き物係、久しぶりの文庫化。
 ドラマ化もされましたし、今後も活躍の期待大。

蜂に魅かれた容疑者 警視庁いきもの係 (講談社文庫)

蜂に魅かれた容疑者 警視庁いきもの係 (講談社文庫)

  • 作者: 大倉 崇裕
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2017/01/13
  • メディア: 文庫



蜂に魅かれた容疑者 警視庁いきもの係 (講談社文庫)

蜂に魅かれた容疑者 警視庁いきもの係 (講談社文庫)

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2017/01/13
  • メディア: Kindle版



青柳碧人「ウサギの天使が呼んでいる」
 シリーズ化への期待大。
 ホームズ&ワトソンの正当を継ぎつつ、稼業に絡めたお話も良い。

ウサギの天使が呼んでいる (ほしがり探偵ユリオ) (創元推理文庫)

ウサギの天使が呼んでいる (ほしがり探偵ユリオ) (創元推理文庫)

  • 作者: 青柳 碧人
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2017/05/21
  • メディア: 文庫



ウサギの天使が呼んでいる ほしがり探偵ユリオ (創元推理文庫)

ウサギの天使が呼んでいる ほしがり探偵ユリオ (創元推理文庫)

  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2017/05/22
  • メディア: Kindle版


皆様、良いお年をおむかえください。
今年もありがとうございました。
posted by コースケ at 17:50| Comment(4) | ミステリ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年12月30日

哀しい殺し屋の歌

まずはAmazonさんの紹介ページから。

毎夜酒場で泥酔する「元・殺し屋」が目を覚ましたのは、捨てたはずの実の娘の屋敷だった。
戸惑いつつも再会を喜ぶ男だが、別れた妻は既に病で亡くなり、
娘はなんと夫を殺されて若き未亡人になっていた。
さらに、男の元へ謎の少年から殺人の依頼が舞い込んでくる。
一連の事件の裏にはかつての仲間の影が――!?

表題作ほか「パパは放火魔」を収録。
国民的大作家がおくる、ユーモア×ハードボイルド×ミステリー!

今年ももう終わりですが、駆け込みアップ。
実業之日本社から刊行され、角川文庫で発売された本書が
装いも新たに実業之日本社文庫から復刊です。

殺し屋というのが普通に出てくる所が実に赤川先生らしい作品。
かつて凄腕の殺し屋だった、という現在進行形で無いところも良いですね。

本編ではお手伝いのハナ子が個人的にMVP。
杉山が襲撃されても「まるで『ゴッドファーザー』だわ!」と驚くだけ(笑
肝が据わってるお手伝いです。

もう一編の「パパは放火魔」は女子中学生の冒険物語。
解説にもありますが、『家族カタログ』を思い出します。

来年も先生のご活躍を祈念します。


哀しい殺し屋の歌 (実業之日本社文庫)

哀しい殺し屋の歌 (実業之日本社文庫)

  • 作者: 赤川 次郎
  • 出版社/メーカー: 実業之日本社
  • 発売日: 2017/12/05
  • メディア: 文庫



哀しい殺し屋の歌 (角川文庫)

哀しい殺し屋の歌 (角川文庫)

  • 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店
  • 発売日: 2001/07/13
  • メディア: Kindle版
posted by コースケ at 23:54| Comment(3) | 赤川次郎 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年12月21日

あるフィルムの背景ーミステリ短編傑作選

まずはAmazonさんの紹介ページから。

検察が押収したわいせつ図画販売罪の証拠品、その中のフィルムの映像に妻と似た女性の姿を見つけた検察官の笹田は独自調査に乗り出すが、たどり着いたのは思いもよらない残酷な真相だった(表題作)。
普通の人々が歪んだ事件を引き起こす恐ろしさと悲しみを巧みに描き、読者の予想を裏切る驚愕の結末を鮮やかに提示する。昭和の名手の妙技を堪能できる、文庫オリジナルの短篇傑作選。

結城昌治さん、超ひさしぶりです。
郷原部長刑事三部作以来。

いわゆるイヤミスが多い短編集になっています。
オススメはかなりホラー寄りの「うまい話」
なぜ訪ねてしまったのか首をかしげる「雪山讃歌」
今のオリンピックへの皮肉にもとれますが、実はどんでん返しがまっていた「絶対反対」

昔は誰の葬式でも同じ人が来ていたという話を聞いたことがありますが、
「葬式紳士」も似たような話。
しかし、その紳士にはある目的が・・・

ちくま文庫のこうした復刊ではありませんが、中々読むことのできない作家さんの
作品を集めて出して頂くのは本当にありがたい。
今後もぜひ続けてください。


あるフィルムの背景: ミステリ短篇傑作選 (ちくま文庫)

あるフィルムの背景: ミステリ短篇傑作選 (ちくま文庫)

  • 作者: 結城 昌治
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2017/11/09
  • メディア: 文庫
posted by コースケ at 22:39| Comment(3) | 結城昌治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年12月18日

このミステリがすごい!2018年版&2018本格ミステリ・ベスト10

毎年恒例のシリーズ。
さらに「ミステリが読みたい!2018年版」も購入しています。

本格ミステリ・ベスト10では三世代座談会と称し、
法月綸太郎さん、三津田信三さん、青崎有吾さんの三者対談が掲載されています。
これは必読かも。

また大倉崇裕さんのインタビューも掲載されており、ドラマ化された「いきもの係」等の
お話も読めて満足。

「ミステリが読みたい」には今話題の「オリエント急行殺人事件」が小特集されていて、
それ目当てに購入したという動機もあります。
しかしまあ、映像化ではスーシェ版を超えるのは難しいでしょう。
あれこそ最高傑作では。

さてこの三紙でこのミスと本格は第1位は「屍人荘の殺人」ですが、
ミステリが読みたいでは「機能警察」が第1位で、なんと「屍人荘」はベスト10にも
入ってません。
中々興味深いランキングですね。購読者層が違うのか、そもそも「本格」や「ミステリ」
というものの捉え方が違うのかもしれませんね。
「屍人荘」は文庫化したら買おう。

倉知淳さんの近況報告(「本格ミステリ」)内でついに猫丸先輩の新作が来年
刊行予定とのこと!楽しみです。


このミステリーがすごい! 2018年版

このミステリーがすごい! 2018年版

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 宝島社
  • 発売日: 2017/12/09
  • メディア: 単行本



2018本格ミステリ・ベスト10

2018本格ミステリ・ベスト10

  • 作者: 探偵小説研究会
  • 出版社/メーカー: 原書房
  • 発売日: 2017/12/07
  • メディア: 単行本



ミステリマガジン 2018年 01 月号 [雑誌]

ミステリマガジン 2018年 01 月号 [雑誌]

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2017/11/25
  • メディア: 雑誌
posted by コースケ at 22:38| Comment(4) | ミステリ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年12月09日

化石少女

まずはAmazonさんの紹介ページから。

学園の一角に建つ壁には日暮れると生徒たちの影が映った。そしてある宵、壁は映し出した、
恐ろしい場面を……。京都の名門高校に次々起こる凶悪事件。
古生物部の部長にして化石オタクのまりあが、たった一人の男子部員をお供に繰り出す、
奇天烈な推理の数々とは?

久しぶりの更新です。
本書も読んだのは2ヶ月くらい前ですね。
摩耶さんの作品ということで期待して読みました。

本書最大の特徴は古生物部の部長・神舞まりあが披露する推理が本当に正しいのか?
ということが全く証明されないままに物語が進行することでしょう。
というのも、まりあが信じ込んでいる「生徒会役員が犯人」という大前提があるため、
生徒会役員が犯人という前提の推理を構築しているためでしょう。

もしまりあの推理をワトソン役である桑原彰が証明しようとすると、
生徒会役員が犯人という大前提が崩れる可能性があるため、これはできないのでしょう。

最終話「赤と黒」では、生徒会役員が犯人ではないという大前提を崩すために、
彰がとある行動にですのですが、これは予測できませんでした。

ただ、不満な点もあります。
生徒会との確執は部の存続というものがあるものの、生徒会役員が犯人である
合理的理由はそもそも何なのか?というのがよくわからないのです。
各事件にて生徒会役員はそれぞれが動機を持つのでしょうが、そこが
うまく説明出来ていないのではないかと感じました。

ラストを読む限りでは続編はなさそうですが、さてどうなりますか。


化石少女 (徳間文庫)

化石少女 (徳間文庫)

  • 作者: 麻耶 雄嵩
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2017/11/02
  • メディア: 文庫



化石少女 (徳間文庫)

化石少女 (徳間文庫)

  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2017/11/02
  • メディア: Kindle版
posted by コースケ at 20:28| Comment(5) | 麻耶雄嵩 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする