まずはAmazonさんの紹介ページから。
バスの転落事故で一人だけ生き残った男が、今度は袋くじの特賞に大当たり。
そんな強運、あり!?(奇跡の男) 小さな飲み屋「糀屋」の客が死に、
なぜか警察に被害者の香典が送られてきて……(狐の香典)。“卯の花健康法”や“健脳法”など、
珍妙なことばかり思いつくナチ先生が殺された。雪に残された足跡が唯一の手掛かり?
(ナチ式健脳法)など、ユーモラスで奇想天外な極上ミステリ短編集。
泡坂妻夫復刊第4弾。全て未読作品。楽しいひとときです。
表題作「奇跡の男」は御大デビュー作「DL2号機事件」を彷彿とさせる快作。
鉱山を掘るという小ネタが最後まで引っ張られるのがかなりおもしろい。
「ナチ式健脳法」は雪の足跡トリックをある驚愕の謎解きで解決する怪作。
本作オススメは「狐の香典」。この作品、起きた事件の真相そのものより、
密造酒(笑)を作る店の主人・五兵衛のある種の計画。
これは今の世の中にかなり当てはまることで、見事に皮肉が効いています。
未読の方、ぜひともご一読あれ。