2022年公開 映画化決定!
――福山雅治主演 湯川・内海・草薙がスクリーンに帰ってくる
2018年「週刊文春ミステリーベスト10」国内部門第1位
待望の文庫化!
シリーズ累計1,450万部突破!
静岡のゴミ屋敷の焼け跡から、3年前に東京で失踪した若い女性の遺体が見つかった。
逮捕されたのは、23年前の少女殺害事件で草薙が逮捕し、無罪となった男。
だが今回も証拠不十分で釈放されてしまう。町のパレード当日、その男が殺された――
容疑者は女性を愛した普通の人々。彼らの“沈黙”に、天才物理学者・湯川が挑む!
ガリレオvs.善良な市民たち
“容疑者X”はひとりじゃない。
以下、ややネタバレあり。
なんだか相当久しぶりにガリレオシリーズを読みました。
草薙が係長、警部にまで昇進していてビックリ。もうそんな年齢なのか、と。
ガリレオこと湯川も、助教授→准教授→教授とは。
教授はスポンサー探しだ、という皮肉は、現実を見事に現しているセリフですね。
これも映画化するのですか・・・
年齢がそれなりいったガリレオならば、佐野史郎さんにしてほしいなあ。
本書を読んでいて、やや判然としないのは、蓮沼寛一にかけられた容疑。
23年前の事件と3年前の事件、どちらも彼の犯行なのか?
前者はそれを匂わせる発言を聞いたのは増村。しかし決定的証拠はない。
後者も湯川の推理により、状況証拠として極めてクロに近そうであるものの、
こちらも決定的とはいえない。
いずれの事件もかなり「疑わしきは罰せず」を貫徹していると言えば
それまでですが、しかし、どちらの事件も計画性があったとはあまり思えず
(特に後者)
警察が有力な物的証拠を見つけられなかったのかと不思議に思ってしまいました。
戸島の思いついたトリックや過程はかなり見事で、しかもフェイクまで用意する
という。
それを解き明かす湯川は流石の一言です。
しかし、その後のさらに真相を突いた湯川の推理には少し疑問があります。
まず、なぜ蓮沼が血の付いた制服を処分しなかったのか。
23年前の成功例があるとはいえ、それなりの物的証拠。
彼はまた23年前のように、損害賠償を請求しようとして、自分を起訴まで持ち込める
証拠を自ら取って置いたのか。どうも釈然としないんですよね。
湯川の推理はバレッタに血液が付いていなかったというところから、
さらに違う真相を解き明かそうとするのですが、ここは良いのです。
しかし、その前段、戸島の計画の裏で行っていた人物たちにどうして
疑いを向けることが出来たのか?
(読み込みが足りないのか、すいません)
しかし、久しぶりのシリーズでイッキ読みしてしまいました。
物語に惹き込む力量はさすがです。
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