2021年12月30日

ぼくの「このミス」2021

もう今年にミステリ記事を上げるのは不可能そうなので、
毎年恒例のこの記事で年末を締めくくりたいと思います。

北山猛邦『密室から黒猫を取り出す方法 名探偵音野順の事件簿』
これが文庫化してくれたからこそ、シリーズが復活してくれた。
本当にかなりの時間、待ちました。
引きこもり探偵の本領発揮。


密室から黒猫を取り出す方法 名探偵音野順の事件簿 (創元推理文庫)

密室から黒猫を取り出す方法 名探偵音野順の事件簿 (創元推理文庫)

  • 作者: 北山 猛邦
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2021/01/28
  • メディア: Kindle版



歌野晶午『誘拐リフレイン 舞田ひとみの推理ノート』
シリーズ第3弾にして、光文社から角川への移籍?になるのでしょうか。
本作も文庫化したことで、シリーズ続編が望めそうという希望をこめて。


誘拐リフレイン 舞田ひとみの推理ノート (角川文庫)

誘拐リフレイン 舞田ひとみの推理ノート (角川文庫)

  • 作者: 歌野 晶午
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2020/11/21
  • メディア: 文庫



似鳥鶏『卒業したら教室で』
市立高校シリーズ最新作にして、ひょっとしたら最終作になってしまうのではないかと
思わせる作品。伊神さんの、真の意味での退場と、柳瀬さんの卒業という、2つを
含んだ物語。
作中の時が流れていくことは、シリーズとの別れも意味する訳で、寂しいのですが、
果たしてどうなるのかなあ・・・


卒業したら教室で 市立高校シリーズ (創元推理文庫)

卒業したら教室で 市立高校シリーズ (創元推理文庫)

  • 作者: 似鳥 鶏
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2021/03/11
  • メディア: Kindle版



米澤穂信『本と鍵の季節』
青春シリーズとして挙げられてますが、古典部や小市民と比すれば、その内容は
相当に異なる作品で、それでいて非常に面白かったです。
続編も出るようなので、楽しみです。


本と鍵の季節 (集英社文庫)

本と鍵の季節 (集英社文庫)

  • 作者: 米澤穂信
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2021/07/01
  • メディア: Kindle版



北山猛邦『さかさま少女のためのピアノソナタ』
北山作品2作目!いやあ、ノンシリーズとスルーしていた自分がバカでした。
前作?含め買って良かった。


さかさま少女のためのピアノソナタ (講談社文庫)

さかさま少女のためのピアノソナタ (講談社文庫)

  • 作者: 北山 猛邦
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2021/07/15
  • メディア: 文庫



岸田るり子『味なしクッキー』
岸田作品数多くあれど、その真骨頂は短編にありとみた。
ミステリ、ホラー、サスペンス、人間の嫌な部分を描いた本短編集、
ぜひ手にとってもらいたいです。


味なしクッキー (徳間文庫)

味なしクッキー (徳間文庫)

  • 作者: 岸田るり子
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2021/12/08
  • メディア: 文庫





今年の下半期に出たのは、ほとんどまだ積ん読状態という、なんともいえない
年となりました。
来年も良いミステリに出会いたいものです。

皆さん良い年をお迎えください。
posted by コースケ at 22:51| Comment(1) | ミステリ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年12月24日

B'z「いつかのメリークリスマス」(『FRIENDS III』)

毎年クリスマスには、それにまつわるミステリを紹介していましたが、
ここに来て、私の勉強(読書)不足から、ついにネタ切れしました。

そこで、グッドタイミングで発売されたこともあり、音楽をご紹介。
ファンならば当然知っているB'zの「いつかのメリークリスマス」

元々はミニアルバム『FRIENDS』に収録されていた楽曲ですが、
『B'z The Best Treasure』や『Love & B'z』にも収録されました。

1996年リリースのミニアルバム『FRIENDS II』から、なんと25年ぶりに
発売されたのが、この『FRIENDS III』。いや、驚きました。
このライブ、行きたかったです。
『FRIENDS』の「恋じゃなくなる日」とか『II』の「きみをつれて」とか、
名曲揃いです。

「III」は個人的に上記のようにかなり好きな曲、というのは聴いていてそこまで
ないのですが、それでもこのコンセプトで楽曲を構成し聴けるのはうれしいですね。

「いつかのメリークリスマス」は、DVDでMVとして新録されています。
異常に椅子がある場所での撮影だなと不思議に思っていたのですが、
そういや椅子を買ったんだった(歌詞)とど忘れしていました(汗)

クリスマス・イヴの今夜、ぜひ聴いてみてください。


「FRIENDS III」 (初回限定盤) (CD+DVD)

「FRIENDS III」 (初回限定盤) (CD+DVD)

  • アーティスト: B'z
  • 出版社/メーカー: バーミリオンレコード
  • 発売日: 2021/12/08
  • メディア: CD



【店舗特典あり・初回生産分】FRIENDS III [初回限定盤・CD+DVD] + マスクケース 付き

【店舗特典あり・初回生産分】FRIENDS III [初回限定盤・CD+DVD] + マスクケース 付き

  • アーティスト: B’z
  • 出版社/メーカー: ノーブランド品
  • メディア: CD






posted by コースケ at 21:57| Comment(5) | music | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年12月16日

味なしクッキー

まずはAmazonさんの紹介ページから。

「あなたの秘密を知っています」と、パリの自宅に押しかけてきた女。
別れを決意して、彼のために「最後の晩餐」の支度をする女。
高校時代に自殺した友人の夢を見た女。友人は夢の中で「殺された」と言った。
それが気になり、真相を知ろうとする女。
不倫相手にクッキーを焼く女。
ロングセラーの『天使の眠り』や『Fの悲劇』
『白椿ななぜ散った』などで人気の著者が描く、“わるい女たち"。
「パリの壁」「決して忘れられない夜」「愚かな決断」「父親はだれ?」
「生命の電話」「味なしクッキー」の六作を収録した短篇集を初文庫化!




解説の大矢博子さんではないですが、「やっと文庫としてこの短編集をお届けできる」。
これに尽きます。文庫化まで10年、長い!
それだけこの短編集、読んで損はありません。

まず最初の「パリの壁」からすごい。
なぜ女性はある男性をパリまで追ってきたのか。
最初は名前しかわからない、そして一気に明らかになっていく物語の核心。

「決して忘れられない夜」は、閲読注意ですね。
なんとなく想像できるのですが、したくない結末と、主人公が恐ろしい。

倒叙ミステリである「愚かな決断」。これはある意味小説だからこそ
完璧なミスリードと言えるかもしれません。
それと、田中弘一は完全犯罪を目指そうとしていたのに、電話に出るという、
余りにお粗末すぎる犯人ですね。
騙しの仕掛けは見事ですが、犯人がマヌケ過ぎる。

「父親はだれ?」が本作白眉かと。過去に自殺した同級生が突如目の前に現れる。
そして彼女は妊娠していた。また、主人公自身も新たな命を授かっていて・・・

過去の自殺した事件を解き明かそうとする七菜代。元担任であった夫が父親なのか?
疑心暗鬼に駆られながらも、当時のクラスメート達と再会していき・・・
最後の結末は圧巻。そして彼女のマウスの実験もこれがまた、なんというか、
いやー上手いですね。

表題作「味なしクッキー」は、若年性認知症を患う妻・雪江と夫の物語。
夫の視点と妻の視点で描かれる物語は、認知症という病を考えさせられつつも、
なぜ夫が妻を殺害したのかが語られていく過程、さらには妻の最後の告白の「仕掛け」が
見事な作品。

人間心理を嫌というほど、そして突き詰めていけないところを突いて作品集ですね。
だが、面白い。




味なしクッキー (徳間文庫)

味なしクッキー (徳間文庫)

  • 作者: 岸田るり子
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2021/12/08
  • メディア: 文庫




posted by コースケ at 23:39| Comment(6) | 岸田るり子 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年12月11日

御手洗潔の挨拶

まずはAmazonさんの紹介ページから。

嵐の夜、マンションの11階から姿を消した男が、13分後、走る電車に飛びこんで死ぬ。
しかし全力疾走しても辿りつけない距離で、その首には絞殺の痕もついていた。
男は殺されるために謎の移動をしたのか?
奇想天外にして巧妙なトリックを秘めた4つの事件に名探偵・御手洗潔が挑む短編集第1弾。


長編に続いて、短編集も再読を始めました。
こちらは新装版などは出ていないので、「挨拶」「ダンス」「メロディ」と
改めて購入しました。
というか、昔読んだのはブックオフで購入していたようで、どうせなら新品を買おうと
思いまして。ブックオフで購入したのはブックオフに売りました(笑


本書所収作で、何を愁眉と挙げれば良いのか、はっきり言って非常に難しい。

エキセントリックな御手洗という点でいえば、「疾走する死者」でしょう。
チック・コリアのライブがあるから事件を解決して、警察から解放されるという(笑
ギターの凄まじい腕前も魅せられるし、また語り手が石岡くんではないので、
その点からも面白いのですよね。御手洗潔の風貌や雰囲気、行動などなど、
相変わらず何なんだ、この人は?という。

石岡語り手で御手洗の脅威の推理力を見せ付けられる「ギリシャの犬」。
この作品は、タコ焼き屋に残されていた紙きれ。これが圧巻です。
そして、最後にタコ焼き屋が無くなった理由をも解き明かす御手洗の名推理。

ワトソンのような語り口で始まる「数字錠」。
この語り口調で始まるのならば、よほど奇妙な事件なのだろうと思うのですが・・・
この作品、御手洗の優しさというか、性格の一面が非常に出てますよね。
これを短編集第1作の最初に持ってくるというのが、素晴らしい。

で、私が一番好きなのは「紫電改研究保存会」。
いや、これは何度も読みました。これも第三者視点からの語りで、
関根という人物が体験した非常に奇妙な体験。
この謎を解き明かすのが同じバーに居た、御手洗潔。

関根が尾崎善吉の話の代金ではした金をくれてやる、というのと、
御手洗の名刺をみて大笑いするところが最高です。

何度読んでもやはり面白い。


御手洗潔の挨拶 (講談社文庫)

御手洗潔の挨拶 (講談社文庫)

  • 作者: 島田荘司
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2014/10/31
  • メディア: Kindle版



posted by コースケ at 20:44| Comment(9) | 島田荘司 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年12月10日

2022本格ミステリ・ベスト10

まずはAmazonさんの紹介ページから。

新時代を予感させる激動のランキングをはじめ、「探してでも読む価値あり」傑作短編大紹介!!
インタビューは『屍人荘の殺人』今村昌弘、そして『六人の嘘つきな大学生』
で話題をさらった浅倉秋成と、今年も充実の一年間を総括!


Amazonさんの紹介がかなり長いので、最初だけです。

こちらも第1位は『黒牢城』。いや、米澤穂信先生、圧巻ですね。

2位に『蒼海館の殺人』。私がきちんと読めていないのか、マイノリティなのか、
どちらのランキングでも高いなあ。

『このミス』でも出ていたのですが、『六人の嘘つきな大学生』と『孤島の来訪者』は
かなり気になります。たぶん文庫化したら買います。

特集記事では「本格短編ガイド」がやはり面白い。
「復刊ミステリ2021」も、いやあ結構買ってるなあというのがありますね。
なんというか、結構最近の新装版より、掘り出し物、絶版状態をぜひともお願いしたいですね。

「新作近況会」は『このミス』の「私の隠し球」とかぶるのが多いのですが、
(同じ作家さんが書いているので、当たり前で)
愛川晶先生の欄に、『天使が開けた密室』完結編の文字が!!
『教え子殺し 倉西美波最後の事件』(原書房)、なんと刊行されているとのこと。
これは買いでしょう。創元推理文庫で来ないかなあ。

後気になったのは鯨統一郎先生のところ。「隠し球」と違うのですよ。
101冊目の本が出た後、作風を変える、とあるのです。これも気になる。

東川篤哉先生の欄では、ついに『館島』の続編『仕掛島』の名前が!!これも買い。

まだまだ読みたくなる本ばかり。来年も楽しみです。


2022本格ミステリ・ベスト10

2022本格ミステリ・ベスト10

  • 出版社/メーカー: 原書房
  • 発売日: 2021/12/04
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



posted by コースケ at 23:24| Comment(6) | ミステリ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年12月08日

このミステリーがすごい!2022年版

まずはAmazonさんの紹介ページから。

33年の信頼と実績を誇る、新作ミステリーランキングブックです。

巻頭には、2021年最も注目された作家のひとりである加藤シゲアキさんへのインタビューを収録。
ほかにも、
・米澤穂信さん作家生活20周年記念インタビュー&陸秋槎さんとの特別対談
・令和の館ミステリーの書き手
(今村昌弘さん・岡崎琢磨さん・斜線堂有紀さん・知念実希人さん・方丈貴恵さん)が集う座談会
・声優・斉藤壮馬さんと作家・青崎有吾さんの同世代対談
・読書会「闇の自己啓発会」の江永泉さん、木澤佐登志さんによる
「闇のブックガイド ミステリー編」

など、2021年のミステリーを振り返る企画が盛りだくさん。

各業界人も注目する2021年の国内&海外のミステリー小説ランキング・ベスト20、
超人気作家による自身の新刊情報&特別エッセイなど、例年の人気コンテンツも充実の一冊です。


今年は『2022本格ミステリベスト10』と分けて書きます。
毎年恒例ですね。

米澤穂信先生のインタビュー、いいですね。お顔も初めて拝見しました。
『黒牢城』かあ。歴史ミステリは読んだことがないのですが、
まずは『折れた竜骨』からチャレンジかなあ。

ランキングでは、新進気鋭の方々が多いですね。どうも今年はミステリ豊作の年らしいです。
以前書きましたが、『蒼海館の殺人』、ランキング第5位。うーん、なんとも言えない。
ところで、このシリーズ、4部作のようなので、残り2作も刊行されたら読みます。

22位以下の挙げられている作品も含めて見てみると、皆川博子・辻真先御大が
見事にランクインしているのが凄すぎる。いやもうこれは本当にすごい。

「私の隠し球」
綾辻先生は館シリーズ完結をぜひ!有栖川有栖先生はソラシリーズをぜひ!
大山誠一郎先生の来年度の作品(文庫化)、挙げられているものは全て購入予定です。
『仮面幻想曲』が復刊はうれしいニュースです!読みたかったんですよね。

二階堂黎人先生の水乃サトルシリーズ最新作『白魔卿の秘密』はかなり気になる。
というか早く読みたい(笑

今回特集が組まれた「闇のブックガイド」、かなり面白い。満足しました。
来年度も良いミステリが出ますよう、祈念します。


このミステリーがすごい! 2022年版

このミステリーがすごい! 2022年版

  • 出版社/メーカー: 宝島社
  • 発売日: 2021/12/03
  • メディア: Kindle版



posted by コースケ at 20:14| Comment(5) | ミステリ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年12月04日

medium[メディウム] 霊媒探偵 城塚翡翠

まずはAmazonさんの紹介ページから。

死者が視える霊媒・城塚翡翠と、推理作家・香月史郎。
心霊と論理を組み合わせ真実を導き出す二人は、世間を騒がす連続死体遺棄事件に立ち向かう。
証拠を残さない連続殺人鬼に辿り着けるのはもはや翡翠の持つ超常の力だけ。
だがその魔手は彼女へと迫り――。ミステリランキング5冠、最驚かつ最叫の傑作!

★第20回本格ミステリ大賞受賞
★このミステリーがすごい!1位
★本格ミステリ・ベスト10 1位
★SRの会ミステリベスト10 1位
★2019年ベストブック

さらに2020年本屋大賞ノミネート、第41回吉川英治文学新人賞候補!

以下、完全なるネタバレあり。










上記のように、本書は、数々の受賞歴があり、『このミス2020』も
再読してみました。

個人的な感想として、本書がそこまで評価されたのがやはり疑問。
単行本版では帯に「全てが伏線」という言葉があったようですが、
文庫版の帯では「彼女は、なにを視ていたのだろう・・・」に変更されています。

「全てが伏線」という言葉はそもそも何を指すのかいまいちわかりませんが、
泣き女の殺人、水鏡荘の殺人、女子高生連続絞殺事件、これら3つの事件に、
城塚翡翠がそれぞれ仕掛けた罠の事を指しているんでしょうかね。

インタールードで、連続殺人事件の犯人の名前が明らかにされていること、
最終話が「vsエリミネーター」であることから、香月&翡翠コンビが
この殺人鬼と対決するのがラストにあるのは、すぐにわかります。

少し話はそれますが、私が一番受け付けなかったのは、史郎と翡翠の関係でしょうか。
甘ったるい会話が続いたり、香月の翡翠への思いとか(まあ、これは2つ意味があるのですが)
ラブロマンスなんですよね。見え見えの。もちろんそれが作者の仕掛けたトリックでも
あるのですけど。翡翠曰く「かりそめのロマンス」というやつです。

最終話において、翡翠が魅せる各事件の推理は、いわば多重解決モノと言ってしまって
よいのか、実に微妙です。
というのも、香月の推理で、各事件とも犯人は間違いなく捕まっています。
A地点からD地点にいくのに、
香月がA→B→Dと辿ったのに対し、翡翠はA→C→Dと、その道筋を変えている、
そんな感じでしょうか。
行き着く先は同じですが、1つの事件に複数の推理が成り立つというものです。
これ自体は相当すごいです。泣き女のアイスコーヒーの氷は秀逸。
女子高生のは少し事前調査がありましたからね。
水鏡荘は完全に罠を仕掛けてます。しかも鐘場刑事もグルです。

最後に翡翠が言うように、自分を襲わせるためにある意味それに沿った行動をしてきた、
そして自分は探偵なのだ、と。
ということは、警察は香月史郎が連続殺人事件の犯人ではないか?と疑っていたという
ことなのでしょうか。
それとも、翡翠が香月と事件を解決していく過程で、その疑いを持ち、警察へ話したのか。
どうもこの辺りが釈然としないのですよね。

エピローグで、香月が翡翠のようやく見つかったワトソン役に云々の話に、
翡翠の反応はなんとも微妙なところですが、本当に単なるかりそめのロマンスだったのか、
というところにもやや疑問が残るところはラストの余韻としては良かったかと。

個人的に、霊媒をいかに論理的、合理的に解釈できるかに力を削いだ香月は
紛れもなく名探偵だったと思いますが、どうでしょう。


medium 霊媒探偵城塚翡翠 (講談社文庫)

medium 霊媒探偵城塚翡翠 (講談社文庫)

  • 作者: 相沢沙呼
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2021/09/15
  • メディア: Kindle版




posted by コースケ at 19:57| Comment(7) | 相沢沙呼 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする