ニューヨーク湾に浮かんだ死体は、行方不明だった大富豪ハッター家の当主ヨークのものだった。
警察は自殺と結論づけるが、二ヶ月後、ハッター邸で毒物混入事件が発生。
解決を要請された名優にして名探偵のドルリー・レーンも手をつかねるうち、
ついには屋敷で殺人が……。一族を相次ぎ襲う惨劇の恐るべき真相とは?
巨匠クイーンのレーン四部作屈指の傑作であり、
オールタイムベスト常連の古典名作ミステリが21世紀によみがえる!
ドルリー・レーン4部作の2作目。
古典的名作とは、いつ読んでも抜群に面白いです。
とはいえ、実は初読という、ミステリファンにあるまじき振る舞いです(汗
古くさい部分ももちろんあります。
しかし、それはこれだけ時代が経っているのだから、仕方ない面があります。
しかしそこはミステリの根幹には関係ありません。
本作は今読んでも、十二分に謎解きを楽しむことができます。
もうありとあらゆる方々が、本作品について語られているし、分析もされているし、
もう私ごときが何かを書くのもおこがましい限りですが・・・
犯人のヒントは、ルイザ・キャンピオンの証言でほぼ全て出そろっています。
しかし、それでも犯人が分からない。すごい構成です。
また、レーンがなぜか推理を拒否する態度を示しつつ、
最後に語る真相と、ある事件の真相があまりに見事すぎて脱帽です。
特に犯人が、想定を超えた行動、「概便の指示」に反した行動を取るという、
レーンにとって驚愕の事態が発生し、かつそれをレーンの推理で知る読者も
、つまり私も驚愕しました。
ここから、物語は全く別の方向に向かっていくのです。
ここはもう凄いの一言でした。
前にも書きましたが、○○の悲劇、アルファベットを使用した等の本歌取りの作品
を読んだ方、原点の古典的傑作をぜひ読んで下さい。
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