未収録短編を集めた一冊。
「鳥の巣」と「いつまで」はミステリというよりホラー小説。
筆者は「卍の殺人」がデビュー作かつ鮎川哲也賞という
新本格の旗手の一人ですが、ホラーも得意としてましたね。
表題作「人影花」は殺人は起きないものの、
現実でもあり得る話です。
表面上幸せに見えているが、実は各人それぞれ嘘をついているという。
「私に似た人」はタイトルからロアルド・ダールの「あなたに似た人」を
思い出しましたが、間違い電話から始まった物語が最後いったい
どういう結末で終わるのか、ラストの締め方は、
後の「神の目」「疵」にも繋がります。
今邑彩作品、まだまだ未読はあるので、
また読んでみようと思います。
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