ミステリ色とホラー色もある贅沢な短編集。
以下はAmazonさんの紹介ページから。
別れたつもりでいても、細い糸が繋がっている。
ハイミスの姉が結婚をためらう理由は別れた男からの「幸せな結婚ができると思うな」
という嫌がらせの手紙だったというが…。
表題作のほか、幼い頃に家出した母に纏わるあり得ない記憶を辿る「帰り花」、
ある絵画に隠された秘密に迫る「吾子の肖像」など前の作品の人物が登場する異色の短編集。
短編集はシリーズものではありませんが、
探偵の能勢陽子が登場するものが多く、また主人公だった人物が、
別の短編では脇役になっていたりと、話そのものに繋がりをもたせている点が特徴。
オススメは能勢探偵のある推理が見事な「六月の花嫁」、
肖像画に秘められた謎をめぐる「吾子の肖像」、
ストーリーが一変する&ある歪んだ愛情が描かれる「つきまとわれて」
オススメは挙げましたが、どれも甲乙付けがたい作品集。
中央公論社さんにはさらに復刊を御願いしたい。
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