2015年12月23日

ノックス・マシン

『このミス2014年版』第1位、『ミステリが読みたい!2014年版』第1位と、
「本格」SFと命名された(あとがきより)本作が、堂々と
上記のような「功績」を挙げたのは快挙ではないでしょうか。

「都市伝説パズル」(日本推理作家協会賞)や
「生首に聞いてみろ」(本格ミステリ大賞)など数々の受賞や候補、さらにランクインと
なっていますが、この作品でも新たな試みに挑戦しています。

それではAmazonさんの紹介ページから。

2058年4月、上海大学で20世紀の探偵小説を研究していたユアン・チンルウは、
国家科学技術局から呼び出される。博士論文のテーマ「ノックスの十戒」第5項が、
史上初の双方向タイムトラベル成功に重要な役割を担う可能性があるというのだ。
その理由を探るべく、実験に参加させられた彼が見たものとは―。
表題作「ノックス・マシン」、名探偵の相棒たちが暗躍する「引き立て役倶楽部の陰謀」などを含む中篇集。

「ノックス・マシン」のラストはとても皮肉の効いた終わり方で、
だから第5項に中国人の項目が設けられたのか!と納得してしまいました。

しかし、この作品での主人公・ユアン・チンルウが果たしてその後どうなったのか?
それは一切書かれておらず、かつ読者は知っていますが、「十戒」への中国人への
記載が、まさか自分の登場にあるとは夢にも思っていないでしょう。

だが、本短編中には「論理爆弾ーノックス・マシン2」が収録され、
そこでその後のユアン・チンルウが登場します。
(物語としては続きというより、別作品)

「引き立て役倶楽部の陰謀」はコメディ的要素をふんだんに含みつつも、
ヘイスティングス大尉の微妙な心情を描いた作品。
個人的には、この物語で描かれているヘイスティングスにはちょっと納得できず。
むしろもっと女史に怒り狂ってほしかったですね。
どうも私の中ではスーシェさんのTV版ポワロのイメージが強いので・・・
(ポワロ、ヘイスティングス、ミス・レモン、ジャップ警部の不動のレギュラー陣)

年内にあとどのくらい読むことができるかなあ。





ノックス・マシン (角川文庫)

ノックス・マシン (角川文庫)

  • 作者: 法月 綸太郎
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店
  • 発売日: 2015/11/25
  • メディア: 文庫



ノックス・マシン 3/4 電子オリジナル版 (角川文庫)

ノックス・マシン 3/4 電子オリジナル版 (角川文庫)

  • 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店
  • 発売日: 2015/11/25
  • メディア: Kindle版
posted by コースケ at 19:48| Comment(1) | TrackBack(0) | 法月綸太郎 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
Ujiki.oOさま、nice!ありがとうございます!
Posted by コースケ at 2016年02月06日 13:38
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