2016年09月03日

水族館の殺人

まずはAmazonさんの紹介ページから。

夏休み真っ直中の8月4日、風ヶ丘高校新聞部の面々は、
取材先の丸美水族館で驚愕のシーンを目撃。サメが飼育員の男性に食いついている!
警察の捜査で浮かんだ容疑者は11人、しかもそれぞれに強固なアリバイが。
袴田刑事は、しかたなく妹の柚乃に連絡を取った。あの駄目人間・裏染天馬を呼び出してもらうために。
“若き平成のエラリー・クイーン”が、今度はアリバイ崩しに挑戦。

11人の容疑者の、アリバイ崩し、その1点に尽きる作品。
事件に至る過程や動機、犯人の心理描写など一切なし。
それが逆に良いのですけど。

前作が「一本の傘」が中心に事件の真相を描いていったのに対し、
今作はそれが「掃除用のモップ」でしょうか。
このモップ、最後まで引っ張ります。

2作目にして、学校外に出たのは意外でしたが、
意外な反面、裏染を探偵役として出馬させるのはやや無理があったかなと。

密室トリックは図挿入が欲しかったですね。
イメージしにくい部分もありました。

一番疑問だったのは、わざわざ風が丘高校の取材が入っている日に
なぜ犯行を行ったのか。
もちろん、やってくる新聞部員がまさか現場保存や現場写真をあれだけ
しっかり撮るなんて、予想出来ませんが(笑)、
それでも部外者が居ない方が良かったのではないか?

このトリックを用いるのに、この日・この時間という縛りがおそらくないはずで、
そこがちょっと納得いかなかったかな。

ミステリの内容的には「体育館」に軍配がありそうですが、
シリーズものとしてみれば。裏染がなぜ学校に住んでいるのかとか、
袴田妹(柚乃)と、客観的にみると、良い関係にも見えたりと、
他の部分で楽しませてくれました。

学校に住むのは無いにしても、そして殺人事件に巻き込まれるのも
無いにして、こんな高校生活はうらやましい(笑)



水族館の殺人 (創元推理文庫)

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  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2016/07/28
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posted by コースケ at 21:36| Comment(1) | TrackBack(0) | 青崎有吾 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
31さま、nice!ありがとうございます!
Posted by コースケ at 2016年09月05日 22:41
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