1888年。はじまりは、ベイカー街221Bに舞い込んだ1通の手紙――
ホームズ × ワトスン、知られざるもうひとつの事件!
ベイカー街221Bにパリから1通の手紙が届いた。 二重仕掛けになった文面には、
失踪した10歳の息子を捜してほしいという 切羽詰まった女性の訴えが。
子供の父親が別件で美術品窃盗の疑いがある曰くつきの伯爵と知り、
ホームズとワトスンは一路パリへ。すぐにこれがただの失踪事件ではないと気づき――
子供の失踪と国際的な美術品窃盗、その周囲ではびこる謎の連続殺人。
全ての事件はやがて繋がりを見せる!
ホームズパスティーシュの一作。
1888年のホームズの語られざる事件。
マイクロフトとフランス人女優の二人から事件を依頼されるホームズ。
美術品窃盗と子どもの失踪という2つの事件、はたしてどう関係するのか?
本作ではホームズがまさに「瀕死の探偵」になる場面が描かれます。
あの時のホームズは少しばかり焦りすぎたように見えましたねえ。
事件はかなり奇妙で、果たして誰が犯人なのか、それが最後まで
見えない所がとてもおもしろい。
依頼人やフランス人探偵にも翻弄されてしまうホームズ。
それは依頼人にやや惹かれているからなのかもしれないですね。
ところで、物語終盤で、子どもがなぜ「失踪」したのか語られるのですが、
これが『絹の家』を思い起こさせました。
それにしても奇しくも類似の話とは・・・ちょっと興ざめしてしまいました。
あくまで個人的ですけど。
解説の日暮氏によれば、本シリーズは三部作とのこと。
果たしてどういう終わりを見せるのか。気が早いですが、
楽しみです。

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