太平洋を航海するヨットの上から落とされた女と、絶海の孤島に吊るされていた男。
一体、誰が誰を殺したのか?そもそもこれは、夢か現実か?男の手記、関係者の証言などで、
次々と明かされていく三角関係に陥った男女の愛憎と、奇妙で不可解な事件の、驚くべき真相とは!?
少し間隔が空いてしまいました。
河出文庫泡坂妻夫復刊第3弾は良質なサスペンス。
メインの登場人物はわずかに3名。
山菅達夫の手記、捜査官・関係者の証言、そしてトキコの告白という3章構成。
個人的に、達夫の「勘違い」はどう考えても気の毒ですが、
本人も認めている通り、それなら最初に訂正すべきだった。
メインの登場人物は3名と書きましたが、ほとんど達夫とトキコの物語ですね。
両者がそれぞれ仕掛けたトリックで、両者とも亡くなります。
達夫の死の謎は蓋を開けてみれば、ああーと思うものですが、
これは極めて難しい。
一方のトキコの死は完全に予想を超えていたものでした。
ところで、河出文庫泡坂妻夫復刊が終わり、今度は徳間文庫から復刊が。
うれしいことです。
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