2018年10月08日

赤い博物館

まずはAmazonさんの紹介ページから。

警視庁付属犯罪資料館、通称「赤い博物館」の館長・緋色冴子はコミュニケーション能力は皆無だが、
ずば抜けた推理力を持つ美女。そんな冴子の手足となって捜査を行うのは、部下の寺田聡。
過去の事件の遺留品や資料を元に、難事件に挑む二人が立ち向かった先は―。
予測不能なトリック駆使、著者渾身の最高傑作!

「密室蒐集家」に続く文春文庫の大山誠一郎さん第2弾。
ドラマ化していたようですが、観た記憶がない・・・
以下、ややネタバレ。




本作の中には2つの系統作品が入っています。
緋色冴子が単なる推理だけでなく、現実にも事件を解決するパターン。
「パンの身代金」や「「死が共犯者を別つまで」「死に至る問い」の3編がそれに該当。

一方、あくまで緋色の推理に留まり、真相がどうなのかは読者へ任せるパターン。
「復讐日記」「炎」がこれに該当。

前者では「死が共犯者を別つまで」がオススメ。
これは予想以上に予想外の流れでした。しかも見事に真犯人を挙げているところも良い。
ただし、入れ替わりやなりすましがここまで上手くいくかどうか、ちょっと難しい気も。

後者はいずれもオススメなのですが、
「日記」が必ずしも本当の事を記載していない事や、高見が守ろうとしたのは誰なのか、
という点から「復讐日記」。
「炎」は幸せな家族を襲った悲劇の裏に、実はその幸せは創られたものだったのではないかという
どこかホラー要素も含んでいて、個人的には好きな作品。
しかし、緋色の推理から考えるに、果たして妊娠をそこまでごまかすことが出来るのかどうか。
この辺りはちょっと弱い気もします。

ところで緋色冴子がキャリアなのに異動せず、8年間も閑職にいるのか。
兵藤首席監察官と同期で、事件を捜査してくれと非公式なお願いに来たり・・・
「密室蒐集家」は主人公が完全に時空を超えた存在であるから良いのですが、
本作は、次作以降でその辺りの背景まで描いてくれるとうれしいですね。



赤い博物館 (文春文庫)

赤い博物館 (文春文庫)

  • 作者: 大山 誠一郎
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2018/09/04
  • メディア: 文庫



赤い博物館 (文春文庫)

赤い博物館 (文春文庫)

  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2018/09/04
  • メディア: Kindle版
posted by コースケ at 17:52| Comment(7) | 大山誠一郎 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
鉄腕原子さま、nice!ありがとうございます~
Posted by コースケ at 2018年10月11日 20:45
@ミックさま、nice!ありがとうございます!
Posted by コースケ at 2018年10月11日 20:47
31様、nice!ありがとうございますm(_ _)m
Posted by コースケ at 2018年10月11日 20:51
むうぴょんこ様、nice!ありがとうございますm(_ _)m
Posted by コースケ at 2018年10月15日 20:49
ゆーじあむ様、nice!ありがとうございます!
Posted by コースケ at 2018年10月21日 00:07
kiyokiyo様、nice!ありがとうございます!
Posted by コースケ at 2018年10月21日 19:27
ネオ・アッキー様、nice!、ありがとうございますm(_ _)m
Posted by コースケ at 2018年10月22日 20:49
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