2020年01月19日

文豪たちの怪しい宴

まずはAmazonさんの紹介ページから。

討論会の帰り、初めて立ち寄ったバー“スリーバレー”で、私は夏目漱石の『こころ』に
関する女性バーテンダーの疑問点に答える羽目に。文学部教授である私が、
まさかこんな場所で講義することになるとは。しかも、途中からやってきた宮田という男が、
あろうことか『こころ』を百合小説と断言したことで、議論は白熱し…。
文学談義四編で贈る、文庫創刊60周年記念書き下ろし。




宮田六郎&早乙女静香、そしてスリーバレーのシリーズは
ひとまず『崇徳院を追いかけて』で完結(充電?)のようで、
本作は、宮田&スリーバレーは続投しつつ、扱う内容が、歴史ではなく、
文学作品となっています。
さらに歴史マニアのバーテンダー・松永に代わり、文学作品に造詣が深いミサキが
ピンチヒッター的な役割で登場しています。


扱う作品は超有名どころを集めた印象ですね。
夏目漱石の『こころ』、太宰治『走れメロス』、宮澤賢治『銀河鉄道の夜』。

しかし、ラストだけは超有名作家ですが、ミステリを意識したのか
芥川龍之介『地獄変・偸盗』所収の『藪の中』になっています。


歴史上の謎と言われているものも、ずっとはっきりわからないものもあれば、
近年の研究が進展したことなどから、新事実が判明したり、解釈が変わっていたり。
教科書を見比べてみると、結構わかったりするのではないでしょうか。
(もちろん、依然として不明なものも多々ありますが)


文学作品はどうなのでしょうか。確かに作家研究、作品研究は多数あります。
しかし、やや乱暴に言ってしまえば、その文章が何を意図して書かれたか?
という問いは、中高生のテスト、あるいは昨日・今日と行われているセンター試験で
出題されたりしてますが、
本当のところは、書いた作者にしかわからないよなあと思ったり。


その意味で研究として、あるいは本書でいえばミステリとして扱うのは
宮田の1つの解釈として、充分にあり得るものだと思うのですが、
それを確かめる術が完全に無いのが、またもどかしいなあと。

それと、本書はやはり該当文学作品をしっかり読んでいないと、楽しみは半減しますね。
歴史は結構有名な説や、テレビや各メディアでも取り上げられますが、
文学作品は中々そうもいかないので、その点、前のシリーズの方が取っつきやすかったかなと。

ところで、宮田と静香は結婚したりしたんでしょうか?




文豪たちの怪しい宴 (創元推理文庫)

文豪たちの怪しい宴 (創元推理文庫)

  • 作者: 鯨 統一郎
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2019/12/11
  • メディア: 文庫



文豪たちの怪しい宴 〈邪馬台国はどこですか?〉シリーズ (創元推理文庫)

文豪たちの怪しい宴 〈邪馬台国はどこですか?〉シリーズ (創元推理文庫)

  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2019/12/13
  • メディア: Kindle版
posted by コースケ at 17:23| Comment(8) | 鯨統一郎 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ストックン様、nice!ありがとうございます!
Posted by コースケ at 2020年01月20日 19:46
31様、nice!ありがとうございます!
Posted by コースケ at 2020年01月20日 19:48
鉄腕原子さま、nice!ありがとうございますm(_ _)m
Posted by コースケ at 2020年01月20日 19:48
yamさま、nice!ありがとうございますm(_ _)m
Posted by コースケ at 2020年01月20日 19:50
@ミックさま、nice!ありがとうございます!
Posted by コースケ at 2020年01月20日 19:52
むうぴょんこ様、nice!ありがとうございます!
Posted by コースケ at 2020年01月20日 19:53
ご訪問ありがとうございました!
Posted by Ganchan at 2020年01月27日 12:32
Ganchanさま、nice!ありがとうございます!
Posted by コースケ at 2020年01月29日 19:12
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