実直さが評判の弁護士が殺害された。裁判の相手方が口走った脅しに似た方法で。
現場の壁にはペンキで乱暴に描かれた謎の数字“182”。被害者が殺される直前に残した奇妙な言葉。
わたし、アンソニー・ホロヴィッツは、元刑事の探偵ホーソーンによって、
奇妙な事件の捜査に引きずりこまれて―。絶賛を博した『メインテーマは殺人』に続く、
驚嘆確実、完全無比の犯人当てミステリ。
本書は昨年の積ん読本でした。
ホロヴィッツ作品は、ホーソーンシリーズより、ピュントの方が好きだなあというのを
前作の時に書いたような記憶があります。
なんか読む機会を中々本書は得られず(?)、今年も上半期が終わるかという頃に読了。
以下、ネタバレあり。
前作ほどホーソーンの嫌味な場面は描かれてません(笑)
一方、担当するグランショー警部とミルズ刑事がトンデモなく不快です(笑)
ラストにこの二人が大恥をかくところが無かったのが非常に残念!
本書において謎を解くための大きな手がかりは実は2つ(個人的感想です)。
1つは普通に読んでいればわかる、被害者リチャードが遺した「もう遅いのに」という言葉。
この言葉は何を意味するのか、それがわかると真犯人に直結します。
もう1つは、最後のホーソーンの謎解きを読まなければ気づきませんでした。
ホーソーンの過去を探るために描かれたと考えられた読書会の場面。
そしてさらりと出る「絹の家」という本。
つまり、シャーロック・ホームズが本物語に隠された手がかりなんですね。
あくまで個人的な分析なので、全くの的外れかもしれませんが、
これは中々上手く潜り込ませたなーと言うのと、ある意味パスティーシュ的な意味合いも
含まれているのだと思います。
アンノとアダムズが隠していた極秘収入は、作家家業のリアルを描いているようでしたね。

その裁きは死 ホーソーン&ホロヴィッツ・シリーズ (創元推理文庫)
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2020/09/10
- メディア: Kindle版
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