まずはAmazonさんの紹介ページから。
さらし首の名所だった「暗闇坂」にそそり立つ樹齢二千年の大楠。
この巨木が次々に人間を呑み込んだのか。近寄る人間たちを狂気に駆り立てる大楠の謎とは。
とうてい信じられない怪事件に名探偵・御手洗潔が敢然と挑む。しかしながら真相に迫る
御手洗も恐怖にふるえるほど、事件は凄惨を極めるものだった。
本格ミステリーの巨匠が精力を注いだ大傑作。
以下、ネタバレあり。
おそらく10年弱ぶりの再読です。
拙ブログには登場するのは初めてですが、かつて「斜め屋敷の犯罪」を
アップした後くらいに読んだ作品です。
そして、その後に『挨拶』『ダンス』『メロディ』と短編集を読了しました。
今回、改訂完全版が発売されたことを機に、改めて読んで見ました。
イッキ読みしました(笑)数日で読了。
それだけ圧巻ということです(改めて主張するまでもありませんが)。
御大はかつて「本格ミステリー」とは何か、という問いに対し、
「まず第一に、『幻想味ある、強烈な魅力を有する謎』を冒頭付近に示すこと」、
「第二のそれは、『論理性』、『思索性』である」と述べ、この2つさえあれば、
『本格ミステリー』たり得ると信じる」と記しています(本書解説より)。
この定義が絶対であるとは言いませんが、本書が完璧にまで、この2つを兼ね備えているのは
疑う余地はありません。
特に『強烈な魅力を有する謎』という点では、『斜め屋敷』『占星術』以上ではないかと
個人的には感じます。
そして本書は、この2つに怪奇性まで加味しているという。
御手洗ですら、解けない謎が登場するという、この「人喰いの木」の恐ろしさ。
また、横浜という都会でありながら、金田一耕助シリーズの旧家・名家で起きたような
事件のようにも感じましたが、これは犯人の動機が大きな要因ですかね。
金田一耕助は防御率の低い探偵なんて言われたこともありますが、
個人的には、なんとなく家の因習や風習、村の風習などに縛られてしまった人たちを、
その縛りから解放する役割を果たしているような一面があるのかなあと感じる事があります。
御手洗は本書で、藤並家の人たちを(松崎レオナ)を救うために、そいて家の因習やDNAといった
ものから解放するために、最後に「みんな集めてさて」と言わず、数年間口を閉ざしたのです。
なんというか、探偵とは何か、名探偵の存在とは?みたいなことまで考えてしまいました(汗)
横浜時代の御手洗&石岡コンビの活躍、まだまだ読みたいですね。
2021年09月07日
この記事へのコメント
xm_xslさま、nice!ありがとうございます!
Posted by コースケ at 2021年09月11日 15:13
鉄腕原子さま、nice!ありがとうございます!
Posted by コースケ at 2021年09月11日 15:13
@ミックさま、nice!ありがとうございます!
Posted by コースケ at 2021年09月11日 15:13
サイトー様、nice!ありがとうございますm(_ _)m
Posted by コースケ at 2021年09月11日 15:13
ネオ・アッキー様、nice!ありがとうございますm(_ _)m
Posted by コースケ at 2021年09月11日 15:13
ハマコウ様、nice!ありがとうございますm(_ _)m
Posted by コースケ at 2021年09月11日 15:14
むうぴょんこ様、nice!ありがとうございます!
Posted by コースケ at 2021年09月18日 23:48
31様、nice!ありがとうございます!
Posted by コースケ at 2021年10月03日 18:43
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