バスケ部の雰囲気が最悪になったのはなぜ? 長年勤めてくれていた家政婦さんは、
なぜ辞めてしまったのか? 会社の同期は罠にはめられたのか?
友人がどうしても猫を隠さなければいけなかった理由とは? 部屋で亡くなっていた叔父さん。
何があったのか? あの日隠した、胸の痛み。計り知れない、あの人の心の中。
秘密が明らかになるとき、人生が少し、輝き始める。
日常の謎解きの魅力がたっぷり詰まったミステリー短編集。
大崎さんの光文社刊行は、ノンシリーズが多いですね。
前回自分が読んだのは『ドアを開けたら』(長編)で、結構久しぶりかも。
「小暑」は、おそらく本書内でも、もう普通に小説と言って良いと思うくらいの
軽いジャブ。「日常の謎」ですらない。悪い意味ではありません。
本当にそんな感じ。
次から怒濤に攻めてきます。
「体育館フォーメーション」、青春小説だなあ。解説を書かれている似鳥先生
の作品に近似しています。
「都忘れの理由」、これが本作では愁眉。めちゃくちゃ面白いです。
本当に謎だけど、その謎は本当に単純。これは登場人物の個性に拠るところも大きい。
「かもしれない」、これも良いです。現在進行形でなく、過去をふと思い出して、
自分の考えを再考していく過程というか、「回想の殺人」、別に殺人は起きてないけども、
なんか、こういう過去から現在に繋がる話は、変化球的な「日常の謎」という印象です。
「灰色のエルミー」と「山分けの夜」はサスペンスと殺人あり。
この2作、前者は主人公お見事な作品で、後者はやや謎を残しつつ了。
久しぶりに、成風堂書店シリーズも読みたいですね。
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