デートの途中で恋人が誘拐された大学生の坂口俊一。恋人の池沢友美を助けたければ
ある男を殺すよう脅されるが、実は友美は自分の恋人ではなく友人の恋人!
代役のデートを引き受けたのだ。責任を感じた俊一は誘拐犯から渡された拳銃で
標的の男を撃ち、友美を助け出す。しかし、彼女は再び誘拐されてしまい……。
俊一は無事にデートを終えることができるのか?(表題作「一番長いデート」)
(解説 山前譲)
全3作収録の短編集。
まず、「孤独な週末」から。
これは確かかつてドラマ化されたんじゃないかなと。
継母と正実、紀子と義理の息子。どちらの立場も難しい。
思春期突入の正実くんにすれば、父親を取られたと思うのは当然でしょう。
この義理の母と息子の関係をここまでミステリに昇華させて描きつつ、
最後に紀子が魅せる愛情は素晴らしいの一言。本作愁眉でしょう。
表題作は赤川作品の常連的なもの。なぜか抗争に巻き込まれる一般人。
この主人公、家まで送るんだぞというのを忠実に守っての、
このタイトルというのが面白い。
拳銃の処理も運が良いのか悪いのか・・・(苦笑
見事になーんにも巻き込まれず大団円。これぞ赤川ユーモア・ミステリの神髄。
「殺してからではおそすぎる」、いや全くこのタイトルは物語の内容以前に、
その通りなのですが、このタイトルからどんな話を想像できますか?
非常に短い短編ですが、上手く大団円になっています。
徳間文庫の復刊も途切れずに続けてくれていて、非常にありがたい。
これからも楽しませてください。
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