まずはマイニンテンドーストアさんの紹介ページから。
世界と隔絶した地下の研究施設、閉鎖環境での連続殺人。神の気配もない深淵、
迷路のごとく交錯し拡がる平行世界。幻のような幸せへの扉、何処にあるでしょうか。
「人は同時に2つの扉を通り抜けることができるか?」
ジャンルはテキストアドベンチャーですが、サウンドノベルです。
しかも500円という破格の値段にもかかわらず、フルボイス。
が、問題はそこではなく、本作は今年発売30年を迎える「かまいたちの夜」リスペクト
かつオマージュ作品なのですね。
シルエットで描かれる人物、謎の地下研究所に閉じ込められる主人公たち。
そして起こる殺人事件・・・果たして真相は?
とにかく青いシルエットが、「かまいたちの夜」にしか見えません。
思い出補正もありますが、昨今珍しい、本格的なサウンドノベル。
しかし、「かまいたちの夜」と違うのは、本作が究極的には謎解きに主眼を
おいているのではないところでしょうか。SFサスペンスあるいはSFミステリ。
紹介文にある、迷路のように広がる平行世界というのがそれを表現しています。
最初にプレイすると、異常に量子力学とかブラックホールが~宇宙物理学とか、
その辺りの説明が一気になされます。
主人公はゲームを進めていくと、選べなかった選択肢のロックが外れ、
新たなフローチャートに行くことができます。
まあ、こう書くといわゆるサウンドノベルなんです。
ただ、本作は上記の科学や平行世界というのを取り入れたことで、
ある意味、サウンドノベルの核心を突いた作品になのではないかと思いました。
本来、「かまいたちの夜」ならば、ミステリ編の透とスパイ編の透は
透は同じ人物ですが、体験した事や、そもそも世界が違います。
(真理を始めとする登場人物たちは姿形は同じでも、別世界で生きるその人たち)
ところが、この「神無迷路」では、そうした枝分かれした際の記憶が
そのまま次の世界へも引き継がれているため、最終的に全ての世界の物語のエンドに
辿り着くという(説明が合っているか非常に怪しいです)。
ミステリ編の透をクリアし、スパイ編の透をしたとき、その透はミステリ編の
記憶も保持しているため、スパイ編で相当な違和感を感じる筈です。
本作はその違和感(というか作中では特異体質)を逆手に取って、
上手く物語にしているわけです。
だからこそ、最後のエンディングがあるんだろうと思います。
個人的にはなぜ幼馴染みが生きていたのかよくわかりませんでしたが・・・
(元々亡くなって亡かった?)
すでに大きくネタバレしているのであれですが、
「かまいたちの夜」リスペクト&オマージュ作品として、ミステリを期待しては
いけないところが注意ですね。
ただ、価格を考えたら、充分買いだと思います。
2024年09月11日
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