2024年09月15日

五人目の告白―小林泰三ミステリ傑作選

まずはAmazonさんの紹介ページから。

「僕は実はもう一つ情報源を持っている。
つまり、僕自身の知識だ。
この知識によって今までの推理はすべて覆る」

語り≒騙りがもたらす驚愕のラスト
『アリス殺し』の鬼才が技巧を凝らす6編

自分の中には凶悪な人格が眠っている──記憶にない動物殺しや対人トラブルに苦しむ青年は、
ノートを介して「敵対者」との対話を試みるが、忌まわしき存在はついに殺人にまで手を染め……
二重三重のどんでん返しが待ち受ける「獣の記憶」をはじめ、全六編の掌短編を収録。
読む者を巧みに翻弄し、独自のロジック×ゴシック世界へといざなう、
『アリス殺し』の鬼才の真骨頂がここに。解説=田中啓文

小林泰三が亡くなられて、もう4年も経つのかと。
『○○殺し』はぜひ完結させてほしかったです。残念ですね。

本書はミステリ傑作選となってますが、いつもの小林節で、グロとSFがかなり
前面に出ています。
「双生児」は、ミステリ色が強い気がしますが、そもそも真帆の感じる疑問は
双子なら、少しは思ったことがあるのかもしれません。
ある意味では、SF=少し・不思議というSFから、小林ワールドのSFに変化していく
過程が読めます。

「攫われて」が一番きつい作品ですね。世界が一気に反転するんだけど、
そこで待つのは最悪の結末・・・
愁眉をあえて挙げれば「独裁者の掟」。世界は独特なものなのに、
ミステリ的な解決がしっかりしているのが素晴らしい。

これからも小林先生の作品を読み続けていきたいと思います。


五人目の告白: 小林泰三ミステリ傑作選 (創元推理文庫)

五人目の告白: 小林泰三ミステリ傑作選 (創元推理文庫)

  • 作者: 小林 泰三
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2024/07/19
  • メディア: 文庫



posted by コースケ at 18:55| Comment(1) | 小林泰三 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
皆様、いつも御訪問とnice!ありがとうございます!
Posted by コースケ at 2024年09月22日 18:43
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