富豪の家に生まれたノンフィクション作家はどこへ何故消えた――?
断崖絶壁に建つ武家屋敷から一族が忽然と姿を消した「消失屋敷」の殺人事件で出会ったフリーライターの新城誠と
文芸評論社の編集者・中島好美。その二人にまた不可解な人間消失事件が起こった。念入りな取材を重ねることで知られる
ノンフィクション作家が失踪したと、捜索を依頼してきたのは、その作家の妻だった。新城は聞き取りをさっそく初めていくのだが、
失踪直後に作家の実家の放火事件が発生、まじめに見えていた作家の裏の顔が暴かれることに――。
富豪だった父の謎の自殺、知らない人物への送金、そして顕れる疑惑の数々。
新城は持ち前の推理力を活かし推理を続けた。そして事件は意外な方向へ。
巧妙に張り巡らせたミステリの伏線と物語のダイナミズム。本格ミステリの女帝が放つ、驚愕の推理エンタテインメント。
Seesaaブログさんへ移行してから、初の更新です。
以下、ネタバレ少々あり。
『消人屋敷』思い出しました。
すごい崖に立ってたんです。よく建築許可が出たなと(笑
それはさておき、本作は中盤でほぼ登場人物が出揃う形になり、
しかも、新城に依頼した妻・日奈子のパートもあるので、なんとなく何がおこなわれたのか、読者は
(日奈子の独白上で)理解はします。
そのため、それを踏まえると果たして犯人は誰なのか、というのと、日奈子が依頼したのも
そもそもなぜなのか、という疑問が生じます。
流石深木先生だけあって、日奈子のパートがありつつも、新城の推理はそれと紙一重の違いなのですが、
この違いは実は紙一重だけれども、天と地ほどの差があるというところがポイントでしょう。
新城の推理後、稲見俊一は変わらず失踪のまま、妻の日奈子も失踪してしまうので、
新城の推理が正しいのでしょう。
もっともトリックというか、必然的にそういうことをするはめになった俊一ですが、
これが現実的にできるかどうかは難しい気がしますね。
(それを言っちゃあおしまいよ、かな?)
重婚という言葉が本書内で出てきますが、少なくとも書類上は違いますし、
あえていえば、究極の二重生活なんですよね。
で大人になってからならともかく、子ども時代が難しいよなあと。
ただ、現実の社会でも失踪人はものすごく多いという統計が出てますから、案外いけるのかもしれません。
ただ、残された子どもたちが可哀そうですね。
というわけで、こちらでもよろしくお願いします。

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