「ホテルの客で唯一、自分を殺そうとしていないのは?」「一人暮らしの老婦人を始末しようとしているのは?」
「伝説の殺し屋のターゲットは?」「雪の山荘が爆破される緊急事態に生き残ったのは?」
「画廊に現れた《怪盗万華鏡》の正体は?」……。新本格ミステリの名手が贈る、
トリックとロジックとサプライズに満ちあふれたフーダニット7編。(解説・若林踏)
本年もどうぞよろしくお願いします。
犯人当てではない、ミステリといえば、パット・マガーの『被害者を探せ!』『探偵を探せ!』『七人のおば』
挙げればきりがありませんが、やはりマガーの作品群は色あせません。
芦辺さんの本作も当然ながらマガー作品を踏まえた上で、様々な切り口から我々を楽しませてくれます。
個人的愁眉は、第5話の「生き残ったのは誰だ?」。
解説にあるように、「雪の山荘が爆破される緊急事態に生き残ったのは?」というのを明らかにするのですが、
いわゆる本格の舞台装置を逆手に取った名作。
なるほど、関係者を一堂に会するの意味も、大きく(思っていたのと)違い、いやいや、素晴らしい短編です。
最初の「犯人以外を当てる」のは、読者も解けるようになっています。容疑者の会話から
果たして皆さん見つけることができるでしょうか?
ところで、パット・マガーのWikipediaでは、上記に挙げた作品は「変格推理」に分類されていて、
そういう分類あるんだろうかと、少し気になりました。

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