2024年12月31日

ぼくの「このミス」2024

更新が止まってました。
新型コロナウイルス感染症に罹患しまして、現在まだまだ戦っております。
多少動けるようになったので、最後の締めくくり記事を。

大倉崇裕『福家警部補の考察』
倒叙ミステリの進化を感じる一冊。
「上品な魔女」と「東京駅発6時00分 のぞみ1号博多行き」は
傑作でしょう。
福家警部補の考察 福家警部補シリーズ (創元推理文庫) - 大倉 崇裕
福家警部補の考察 福家警部補シリーズ (創元推理文庫) - 大倉 崇裕
福家警部補の考察 (創元推理文庫) [ 大倉 崇裕 ] - 楽天ブックス
福家警部補の考察 (創元推理文庫) [ 大倉 崇裕 ] - 楽天ブックス

戸坂康二『楽屋の蟹ー中村雅楽と日常の謎』
「日常の謎」を定着化させたのは、北村薫先生。
しかし、そうしたジャンルを開拓したのは間違いなく戸坂康二先生。
超有名でも、やはり「團十郎切腹事件」「グリーン車の子供」は必読です。
楽屋の蟹: 中村雅楽と日常の謎 (河出文庫) - 戸板 康二, 新保 博久
楽屋の蟹: 中村雅楽と日常の謎 (河出文庫) - 戸板 康二, 新保 博久
楽屋の蟹 中村雅楽と日常の謎 (河出文庫) [ 戸板 康二 ] - 楽天ブックス
楽屋の蟹 中村雅楽と日常の謎 (河出文庫) [ 戸板 康二 ] - 楽天ブックス

アントニイ・バークリー『最上階の殺人』
迷探偵?いやいや名探偵ロジャー・シェリンガムの大胆なる推理と行動、
その全てをご堪能あれ!
最上階の殺人 (創元推理文庫) - アントニイ・バークリー, 藤村 裕美
最上階の殺人 (創元推理文庫) - アントニイ・バークリー, 藤村 裕美
最上階の殺人 (創元推理文庫) [ アントニイ・バークリー ] - 楽天ブックス
最上階の殺人 (創元推理文庫) [ アントニイ・バークリー ] - 楽天ブックス

赤川次郎『キネマの天使 メロドラマの日』
相変わらずのユーモア・ミステリは本シリーズではまだまだ健在。これからも私たちを楽しませてください。
キネマの天使 メロドラマの日 (講談社文庫) - 赤川次郎
キネマの天使 メロドラマの日 (講談社文庫) - 赤川次郎
キネマの天使 メロドラマの日 (講談社文庫) [ 赤川 次郎 ] - 楽天ブックス
キネマの天使 メロドラマの日 (講談社文庫) [ 赤川 次郎 ] - 楽天ブックス

みなさま、良いお年をお迎えください。

posted by コースケ at 17:27| Comment(0) | ミステリ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年12月24日

雪山山荘殺人事件

『少年サンデー』名探偵コナン全事件レポート編纂室よりのご紹介。

小五郎達は雪山で医大教授、大山の別荘へと招かれる。彼の教室員達と鍋を囲んだあと、
大山は席を立ち、そのまま戻らなかった。テレビを見ていた部屋で殺されていたのだ。部屋は荒らされ、
金庫にはこじ開けようとした形跡があった。また、大山がロープで縛られていた事からも強盗のしわざと判断する小五郎。
だが、金目の物が盗られていない事に着目するコナン。さらに正座して絶命した死体、不自然にとぎれた血痕がついたテーブルクロスなど、
不審な点が見つかり、内部犯の疑いが出てきた。雪山の別荘に隠された複雑なトリックにコナンが挑む!

以下、ネタバレ。




というわけで、クリスマスにちなんだミステリを紹介するこの日。
かつて読んでいた『名探偵コナン』からの紹介になります。

この話、正確にはクリスマスなのか記憶がないのですが(苦笑
YouTubeでウインターセレクションと題し、数日前から配信されていますので、
冬なのは間違いない。というわけでご勘弁ください。

この事件はアリバイ崩し&ダイイングメッセージがテーマです。
前者は結構きついんですよね。小五郎が「いくらでしたか?レシートは?」など問い詰めたりしますが、
これは偽のアリバイ作りとしては弱いですよねえ。
アイスが無いなんて、あり得ないからなあ。溶けさせたのも計画的犯行としては稚拙すぎる。

むしろ被害者があんな苦しい殺し方をされて、非常に苦しい状況で、
よくあのダイイングメッセージを遺したなという印象が強い。
あれを見破ったコナンは流石の一言。

というわけで皆様、素敵なクリスマス・イヴを過ごしてください。

名探偵コナン(10) (少年サンデーコミックス) - 青山剛昌
名探偵コナン(10) (少年サンデーコミックス) - 青山剛昌
名探偵コナン(11) (少年サンデーコミックス) - 青山剛昌
名探偵コナン(11) (少年サンデーコミックス) - 青山剛昌

名探偵コナン 10 (少年サンデーコミックス) [ 青山 剛昌 ] - 楽天ブックス
名探偵コナン 10 (少年サンデーコミックス) [ 青山 剛昌 ] - 楽天ブックス
名探偵コナン 11 (少年サンデーコミックス) [ 青山 剛昌 ] - 楽天ブックス
名探偵コナン 11 (少年サンデーコミックス) [ 青山 剛昌 ] - 楽天ブックス
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2024年12月15日

2025本格ミステリ・ベスト10

まずはAmazonさんの紹介ページから。

特集は2000年代クォータリー・ベスト本格ミステリ・ランキング発表! 
ベテランから新勢力までしのぎを削った激動の25年から読み巧者が厳選!
二大インタビューは青崎有吾、潮谷験。最新ランキングも大注目!

櫻田智也さんの『六色の蛹』、阿津川辰海さんの『黄土館の殺人』が
『このミス』よりランキングが高いのが、『本格』と冠する書の特徴でしょうか。
『彼女が探偵でなければ』は、おそらく発売時期が早ければ、
確実にもっと上だったでしょうね。

『このミス』に比して、2024年のミステリゲーム、復刊ミステリ2024など、
毎回読みたい特集が多いので、こっちの方が好きなんですよね。

後者の復刊ミステリ2024は、そう、トクマの特選!が止まってしまったのです・・・
梶龍雄や中町信さんの刊行作品はどうなるのかなあ。残念すぎる。

ミステリ演劇特集をみると、本当に色々なミステリが舞台でされてるんだなあと。
「かまいたちの夜」はかなり観たかった。
その一方、映像本格はあまり興味がないんですよね(笑
『十角館の殺人』を映像化したのはすごいとは思うけども、
どうもキャストとかそういうのがねえ。原作改変も多いし。
といった懸念(思い込み)からほぼみてません。

2000年代クオータリー本格ベストランキングというのは、流石『本格ベスト』。
でもこれは難しいでしょうね。5に絞れは無理難題。

ところで、もう使用されているのかもしれませんが、いわゆる「新本格」以降、
今のミステリ界隈は「新本格」とは言いませんよね。
「本格」でいいのかなあ。何か新たな言葉があるのか、うーん。

いずれにせよ、ベスト20の作品の大半は間違いなく文庫化して読む予定です。
しかし積読が増えてきて、だんだん危ない状況に・・・(苦笑

まあうれしい悲鳴ですね。焚書になっちゃ困りますから。


2025本格ミステリ・ベスト10

2025本格ミステリ・ベスト10

  • 出版社/メーカー: 原書房
  • 発売日: 2024/12/09
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



posted by コースケ at 18:48| Comment(0) | ミステリ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年12月08日

このミステリーがすごい!2025年版

まずはAmazonさんの紹介ページから。

36年の信頼と実績を誇る、新作ミステリーランキングブックです。
表紙&巻頭では漫画『【推しの子】』を特集。
作品の完結を祝し、赤坂アカ氏にお話をうかがいました。

更に、デビュー20周年を記念した
辻村深月氏×湊かなえ氏
道尾秀介氏×加藤隆生氏(SCRAP代表)の二大対談では、
ミステリーの過去・今・未来についてたっぷり語っていただいています。

ゲーム×ミステリーも特集。
「かまいたちの夜」我孫子武丸氏、「Fate/Stay night」奈須きのこ氏のインタビュー、
「逆転裁判」巧舟氏「ひぐらしのなく頃に」竜騎士07氏
「ダンガンロンパ」小高和剛氏のコラムどでゲームとミステリーの歴史をひもときます。

各業界人も注目する2024年の国内&海外のミステリー小説ランキング・ベスト20、
超人気作家による自身の新刊情報&特別エッセイなど、
例年の人気コンテンツも充実の一冊です。

というわけで、今年もこの季節がやってきました。
なんといっても、「かまいたちの夜」30周年記念特集が良かったですね。
何度も振り返りで我孫子先生や中村光一さんの話を様々なところで見ましたが、
本作で改めて我孫子先生のインタビューを読むと、色々と思い出します。

やはり『あなただけのかまいたちの夜』は忘れてはなりません。
2冊とも持ってますが、これは傑作揃いです。

私の隠し玉、二階堂黎人さんのところに「水乃サトル」がなくて残念・・・

ところで、最初から購入しているわけではありませんが、
かなり本書が溜まってきました。
ずいぶん長く買っているなあ・・・と。


このミステリーがすごい! 2025年版

このミステリーがすごい! 2025年版

  • 出版社/メーカー: 宝島社
  • 発売日: 2024/12/06
  • メディア: 単行本



posted by コースケ at 19:18| Comment(1) | ミステリ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年12月31日

ぼくの「このミス」2023

本年最後はこの記事で。
意外と、というか毎年12月に怒涛の更新を見せるのは、
この記事を書くためかもしれません(笑

『六人の嘘つきな大学生』
とにかく素晴らしい構成でした。
彼らの「嘘」とは何か。フーダニット、ホワイダニットも入れつつ、
見事にタイトルから二重に読者を騙した傑作。

六人の嘘つきな大学生 (角川文庫)

六人の嘘つきな大学生 (角川文庫)

  • 作者: 浅倉 秋成
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2023/06/13
  • メディア: Kindle版







『死の湖畔 Murder by The Lake 三部作#2 告発(accusation) 
                  十和田湖・夏の日の悲劇』
十和田湖での転落事故という1つの構図を、
最後に逆転させる素晴らしい傑作。
中町信先生の作品は創元推理文庫、そして徳間文庫などで
手に取ることができるのでぜひ。







『Y駅発深夜バス』
名短編ここにあり。「猫矢来」は論理のアクロバットの傑作でしょう。

Y駅発深夜バス (創元推理文庫)

Y駅発深夜バス (創元推理文庫)

  • 作者: 青木 知己
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2023/05/19
  • メディア: 文庫






『Yの悲劇』『ママは何でも知っている』
もはや古典的名著ですが、初読というのが恥ずかしいです。
決して今読んでも色あせない、それぞれが今のミステリの先駆的作品であり、
本格、新本格、ミステリを愛する方へはぜひ読んでほしい作品。

Yの悲劇【新訳版】 (創元推理文庫 Mク 1-2)

Yの悲劇【新訳版】 (創元推理文庫 Mク 1-2)

  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2022/08/19
  • メディア: 文庫






ママは何でも知っている (ハヤカワ・ミステリ文庫)

ママは何でも知っている (ハヤカワ・ミステリ文庫)

  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2015/06/15
  • メディア: Kindle版






来年もよいミステリに出会えることを祈念しつつ。
来年もよろしくお願いします。
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2023年12月24日

本格ミステリ・エターナル300

まずはAmazonさんの紹介ページから。

本格ミステリの2010年代は、どんな時代だったのか――
2011~2021年の各年を代表する傑作300タイトルのレビューとともに振り返り、
充実のコラム・解説で10年を総覧するガイドブックが登場!
本格ミステリを「読みたい人」「書きたい人」「語りたい人」すべてのファンに贈る、必携の一冊。

クリスマス・イヴにはだいたいクリスマスに関するミステリやら何やらを
紹介するのですが、弾切れです(苦笑
先週調べられなかったのですよね・・・

というわけで、『本格ミステリ・クロニクル』『本格ミステリ・ディケイド』に続く、
2010年代の本格ミステリを振り返る『本格ミステリ・エターナル』をご紹介。

通覧するとわかるのですが、この時代、一気に様変わりします。
新たな新進気鋭の作家さんの登場もさることながら、
ラノベからの本格ミステリ、特殊設定ミステリの大々的な登場という、
大きな波があったのが、この年代です。

今では特殊設定あるいは特殊状況ミステリは珍しくありませんが、
これをSF等ではなく、本格の俎上で描くというのは、やはり衝撃的だったと思います。
その代表格が『屍人荘の殺人』ではないでしょうか。

一方で、皆川博子御大、辻真先御大というレジェンドが各ミステリランキングで
トップを取るなど、レジェンドからベテラン勢もまだまだ負けていません。

個人的には、紹介されているミステリで、未だに文庫化されていないものも
多く、より多くの人に膾炙するには、(営業面で厳しいのは重々承知の上ですが)
文庫化を各出版社さんには試みて欲しいですね。
(その1つが、電子書籍化であるのは言うまでもありませんが)

ところでこの『エターナル』は原書房さん刊行でないのは、
何か理由があるのかなあと。

いずれにせよ、2020年代、さらにはその次も、本シリーズが刊行されることを
祈念したいですね。


本格ミステリ・エターナル300

本格ミステリ・エターナル300

  • 出版社/メーカー: 行舟文化
  • 発売日: 2023/12/02
  • メディア: 単行本



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2023年12月23日

2024本格ミステリ・ベスト10

まずはAmazonさんの紹介ページから。

映像、コミック、ゲームから演劇、評論まで本格まみれの一年を総覧!
気鋭からベテランまで話題作揃いのランキングをはじめ、
新作『鵼の碑』が話題の京極夏彦、予測不能の俊英・方丈貴恵の2大インタビュー、
特集は「暗号ミステリの愉しみ」。今年も情報満載でお届けします!

『このミス』とともに年末の楽しみのもう一つ。
こちらにも京極夏彦先生のインタビューがあって、すこし笑いました。
妖怪の話とか、次作とか、いやあ、楽しみ&期待が高まりますね。

『本格ミステリ』の方は、映像作品やラノベ、それから装丁と、企画が多彩なので、
良いですよね。一番私が見てるのは「復刊ミステリ2023」。
ここは、おお!こんなものが知らなかったという発見があり、また良いのですよねえ。

方丈貴恵さんのインタビュー。『孤島の来訪者』注文したので楽しみです。
今回は暗号特集があるのですが、やはり『黄金虫』と『踊る人形』から始まる、
ミステリの中で大きなトリックの一つですね。
しかし奥が深いなあ、とこの特集を読んで思いました。
やはり『猿丸幻視行』は読むべきだなと。

今年もあとわずかですが、積ん読もどんどん読みます!


2024本格ミステリ・ベスト10

2024本格ミステリ・ベスト10

  • 出版社/メーカー: 原書房
  • 発売日: 2023/12/07
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



posted by コースケ at 19:51| Comment(6) | ミステリ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年12月10日

このミステリーがすごい! 2024年版

まずはAmazonさんの紹介ページから。

35年の信頼と実績を誇る、新作ミステリーランキングブックです。
巻頭では『名探偵コナン』30周年を記念し、
青山剛昌×東野圭吾の超巨大対談が実現!
17,000字に及ぶ、ミステリー界のトップランナー2人の邂逅をお楽しみください。

更に、デビュー30周年を記念し、京極夏彦単独インタビューも掲載。
最新作『鵼の碑』のお話もたっぷりうかがいました。

そのほかQuizKnock河村拓哉×『君のクイズ』作者・小川哲特別対談などで、
2023年のミステリーヒット作に迫ります。

各業界人も注目する2023年の国内&海外のミステリー小説ランキング・ベスト20、
超人気作家による自身の新刊情報&特別エッセイなど、例年の人気コンテンツも充実の一冊です。

ついに今年もこの季節。
今年の表紙は30周年記念の『名探偵コナン』が登場。
『このミス』では再登場ではないでしょうか。

おそらく読者の中には、自分が生きているうちに終わるのか・・・という
思いを持っている方も多いのでは(笑

ランキングは若手が多い!いや素晴らしいですね。
全体をみれば、ベテラン勢も入っており、ミステリ界の盛り上がりを感じます。

個人的には阿津川辰海先生と斜線堂由紀先生の『名探偵コナン』ベストエピソードが
面白かったです。
物理の北山ならば、「霧天狗殺人事件」は描けるという阿津川先生の言に笑いました。

思想信条上、ランキングはと言いつつ、おそらく収録されたのはインタビューの半分くらい
ではと思わせる、京極夏彦先生へのデビュー30周年記念インタビューは必読です。


今年中に、積ん読になっているミステリをどれだけ読めるかなあ。


このミステリーがすごい! 2024年版

このミステリーがすごい! 2024年版

  • 出版社/メーカー: 宝島社
  • 発売日: 2023/12/05
  • メディア: Kindle版



posted by コースケ at 17:21| Comment(4) | ミステリ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年12月31日

ぼくの「このミス」2022

今年も最後なので、今年読んだミステリの中で、特にオススメを紹介します。
しかし、今年はあまり読んでないような気がするなあ。

三津田信三『白魔の塔』
読んでいて、思わず唸ってしまった作品。
怪異と現実とが入り交じりつつ進む物語、突如としてとてつもない事態が
起こる、まさに驚愕怒濤の展開。物理波矢多の名推理も楽しめますが、
この構成は圧巻。

白魔の塔 物理波矢多シリーズ (文春文庫)

白魔の塔 物理波矢多シリーズ (文春文庫)

  • 作者: 三津田 信三
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2021/10/06
  • メディア: Kindle版






有栖川有栖『こうして誰もいなくなった』
表題作は、群を抜いて面白い。クリスティの向こうを張った名作。
「密室」の使い方が素晴らしい。

こうして誰もいなくなった (角川文庫)

こうして誰もいなくなった (角川文庫)

  • 作者: 有栖川 有栖
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2021/11/20
  • メディア: 文庫






大山誠一郎『記憶の中の誘拐 赤い博物館』
名短編集。緋色冴子は火村英生の女性版かと思うくらい、理詰めの推理。
「夕暮れの屋上で」「連火」、いずれも傑作です。
文庫書き下ろしというのがまた素晴らしい。出版社さん、営業的な面あろうかと
思いますが、文庫書き下ろし、どんどんお願いします。


記憶の中の誘拐 赤い博物館 (文春文庫)

記憶の中の誘拐 赤い博物館 (文春文庫)

  • 作者: 大山 誠一郎
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2022/01/04
  • メディア: Kindle版






若竹七海『殺人鬼がもう一人』
逆コージーミステリー。シリーズ続編がぜひ読みたいところ。
ハッピーデー・キラーの事件の顛末は一体どうなったのか?


殺人鬼がもう一人 (光文社文庫)

殺人鬼がもう一人 (光文社文庫)

  • 作者: 若竹 七海
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2022/04/12
  • メディア: Kindle版






都筑道夫『猫の舌に釘をうて』『誘拐作戦』
とにかく読めて良かった。購入して損はない作品。
改めて感想は書きません。都筑道夫の読者騙しのテクニックをご堪能あれ。


猫の舌に釘をうて (徳間文庫 トクマの特選!)

猫の舌に釘をうて (徳間文庫 トクマの特選!)

  • 作者: 都筑道夫
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2022/02/08
  • メディア: Kindle版



誘拐作戦 (徳間文庫)

誘拐作戦 (徳間文庫)

  • 作者: 都筑道夫
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2022/08/09
  • メディア: 文庫









阿津川辰海『透明人間は密室に潜む』
収録短編いずれも傑作揃い。『録音された誘拐』も楽しみです。

透明人間は密室に潜む (光文社文庫)

透明人間は密室に潜む (光文社文庫)

  • 作者: 阿津川 辰海
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2022/09/13
  • メディア: Kindle版






大半がオススメになりそうなので、この辺で(笑
来年も良いミステリが読めますよう。
そして今年も読んで頂いた方、ありがとうございました。
posted by コースケ at 14:19| Comment(1) | ミステリ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年12月23日

2023本格ミステリ・ベスト10

まずはAmazonさんの紹介ページから。

新星たちが新たな世界をみせた本格ミステリの一年をオールレビュー! ランキングはもちろん、
映像、コミックにラノベ、評論、ゲームまでを一望。特集は「傑作に描かれた現場図面探索」。
インタビューは柄刀一、そして夕木春央の二本立て!

毎年恒例の2冊目。
しかし、拙ブログではほとんどランキング作品には触れていないのですが(苦笑
やはり『このミス』と結構違うなあと改めて思いました。
「本格」という言葉の重い、違いなんでしょうか。

企画としては『このミス』より面白い。復刊特集、ミステリゲーム、コミック、映像本格・・・
これらを振り返られるのと、おお、こんなのあったのか!というのに出会えます。

柄刀一さんのインタビューは良いですねえ。浅見光彦を探偵役に描くということへの
凄まじいまでのプレッシャー、なんとなく分かる気がします。
でも実に上手く描けていて、もう浅見光彦シリーズ続編を書いてほしいくらいです。

『このミス』でもあったかと思いますが、北山猛邦先生の『月灯館殺人事件』の
早期文庫化を望みます!


2023本格ミステリ・ベスト10

2023本格ミステリ・ベスト10

  • 出版社/メーカー: 原書房
  • 発売日: 2022/12/07
  • メディア: 単行本






名探偵のいけにえ―人民教会殺人事件―

名探偵のいけにえ―人民教会殺人事件―

  • 作者: 白井智之
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2022/09/15
  • メディア: Kindle版






ポピーのためにできること (集英社文庫)

ポピーのためにできること (集英社文庫)

  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2022/07/07
  • メディア: Kindle版



posted by コースケ at 21:43| Comment(0) | ミステリ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする