2025年02月01日

その女の名は魔女 怪異名所巡り 2

まずはAmazonさんの紹介ページから。

幽霊に会えるバスツアーが戻って来た!
バスツアーに添乗するたびに、謎と怪奇に遭遇! 幽霊と呪いにめっぽう強く、正義感あふれる人情家――
“霊感バスガイド”町田藍が大活躍。人気のユーモア・ホラー・ミステリー第2弾。(解説/新保博久)

こちらのシリーズ、文庫本化したものは全て購入しているのですが、
積読本が増えすぎて、中々こちらは読み進まず(苦笑)

「1/24秒の悪魔」は、最後に明かされるフィルムの内容が恐怖ですね。
幽霊である信子さんが、時折土蔵に出てくれるのを「退屈しのぎになるわ」と承諾するのは、さすが赤川先生。
すずめバスとしては、鉄板を手に入れることになりましたね(笑

「奈落は今日も雪が降る」でも、町田藍は幽霊の矢田とたまに出てくれと交渉し、締結しています(笑)
いや、見事な営業活動。

「迷子になった弾丸」、よくこんな奇想天外な話を書けるなとまず驚きました。
弾丸が迷子(時空を超えた理由)は一切書かれず、過去の罪の清算のためなのでしょうか。

表題作は、現代社会とは思えない内容の話ですね。
村の人々は因果応報でしょう。

「予告編の人生」は、最後のハッピーエンドが赤川先生らしい。

次作以降も楽しみです。

その女の名は魔女 怪異名所巡り 2 (集英社文庫) - 赤川 次郎
その女の名は魔女 怪異名所巡り 2 (集英社文庫) - 赤川 次郎

その女の名は魔女 怪異名所巡り 2 (集英社文庫(日本)) [ 赤川 次郎 ] - 楽天ブックス
その女の名は魔女 怪異名所巡り 2 (集英社文庫(日本)) [ 赤川 次郎 ] - 楽天ブックス

posted by コースケ at 19:33| Comment(0) | 赤川次郎 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年12月06日

キネマの天使 メロドラマの日

まずはAmazonさんの紹介ページから。

映画の撮影現場で、映像に関わるすべてを記録し、管理する――。
スクリプターの東風亜矢子は、いい映画を作るため、
正木監督の無茶なリクエストに応えて奔走する日々だ。

だが今回は、資金調達が難航し、撮影に入れない。
頭を抱える監督の前に、高校時代の憧れの同級生が現れ……。
大人気ミステリー第2弾!

PCを買い替えたり、色々していて、更新が止まっていました。

本作は最近始まった新シリーズで、その2作目。
確かに事件は起こります。しかも殺人事件。
しかし、それ以上に、映画撮影をめぐる、もうありとあらゆる展開が
非常に面白いです。

近年の赤川先生の作品は、少々パワーダウンしたものもあり、
大丈夫かなあと思ったりすることも間々ありました。
しかし本作は、主人公の東風亜矢子をはじめ、魅力的なキャラクターが
次々と登場し、物語をとにかく盛り上げます。
しかも、映画製作という場面だけでなく、映画の脚本という面から、
あるいは映画の主役を任される女優の抱えた秘密とか、
それからもちろん、ある殺人事件を巡る再捜査などなど・・・

東風&正木コンビは何か良いものも悪いものも引き寄せる、
そんな力を持っているのかもしれません。

一人だけ別の物語の登場人物かと思うのが、戸畑進也。
こういう人物、赤川作品によく登場するように思いますが、
いやいや、行動だけ見ていたら、とんでもない屑なんですよね(苦笑)

しかも、絶妙に物語本筋に関わらない(笑
これだけもおかしかったです。

相変わらず失恋を繰り返す東風亜矢子。次作で運命の人は現れるのか?
楽しみなシリーズです。


キネマの天使 メロドラマの日 (講談社文庫)

キネマの天使 メロドラマの日 (講談社文庫)

  • 作者: 赤川次郎
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2024/05/15
  • メディア: Kindle版



posted by コースケ at 23:20| Comment(3) | 赤川次郎 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年11月09日

眠れない町

まずはAmazonさんの紹介ページから。

眠りたいのに――。〈睡眠〉に仕掛けられた恐るべき陰謀とは? 
迫真のサスペンス・ミステリー! 
郊外のマンモス団地に住むフリーライター兼編集者の矢吹徹治。
徹夜仕事が日常の多忙な毎日を送っている。矢吹はある朝、近所に住む会社員・城山が
駅で急死する場に立ち会ってしまう。城山は、極度の不眠症に悩んでいたらしい。
それを発端に矢吹の周囲で不可解な事件が続発する。平凡な町に何が起こっているのか? 
〈睡眠〉に仕掛けられた恐るべき陰謀とは!?

いくらでも拡げられそうなテーマ&連作短編に向いているところを、
さらりと長編にしてしまうのが、赤川次郎先生ならではかもしれません。

本書も非常に不思議な始まりで、一連の事象がどう繋がるのか、とても面白く
読めるのですが・・・
結末がねえ、まあ悪く言えば安易で、よく言えば赤川先生らしい落としどころ。

矢吹夫妻の人のよさは素晴らしいし、相変わらず人物描写は面白い。
それだけに、「眠れない」をテーマにした、短編集ないし連作短編集の方が
面白かったように思えます。

ところで、本書は元々徳間文庫刊行で、今回講談社文庫から発売。
いつもと逆パターンです。


posted by コースケ at 21:27| Comment(1) | 赤川次郎 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年10月20日

神隠し三人娘 怪異名所巡り

まずはAmazonさんの紹介ページから。

“霊感バスガイド”が大活躍の新シリーズ!
弱小〈すずめバス〉のバスガイドとして就職した町田藍。
霊感体質の彼女が〈怪奇ツアー〉を担当したところ、見事幽霊に遭遇して…!?
TVドラマ化もされた人気シリーズ第1弾!(解説・細谷正充)

いやいや、ついにこのシリーズも購入してしまいました。
現在も続くシリーズ、というのもありますが、
私が一番好きな大貫警部シリーズが現在新作の執筆がなさそうなので、
(シリーズ終了なのかもなあ。)
別のをと思い購入。

確かにその筋の人たちからは、確実に収入が得られるし、鉄板の企画ですね。
なんせ確実に幽霊に遭遇するわけですから。

表題作はなんといっても「その漬け物屋に突っ込んで」という、
要するに観光バスをわざと店舗に突っ込ませるという、中々最初にして、
とんでもないことしでかします。
結果的には、生きている少女も、神隠し三人娘も助かって良かったのですが。
筒見社長はそれを盾に、賠償しないだろうな(笑

「怪獣たちの眠る場所」はかなり異色作。ウルトラマンの怪獣墓場かと思わせる面もあり、
また、途中で語られる玉井の苦悩は、ウルトラセブン「ノンマルトの使者」を
思い起こさせ、さらには、解説で書かれているように、現実社会への警鐘とも
捉えられます。
この話は非常に不思議で、幽霊が現れるのは、自身の奥さんへの別れよりも、
自身の教え子へ、その誤りを正して欲しいという願いからなのか。
いやいや深い話です。

しかし最初からクライマックスというか、すでに<霊感バスガイド>が方々に
知られてしまっている町田藍。この後どんなバスツアーが彼女を待っているのか、
非常に楽しみです。



神隠し三人娘 怪異名所巡り (集英社文庫)

神隠し三人娘 怪異名所巡り (集英社文庫)

  • 作者: 赤川次郎
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2014/02/27
  • メディア: Kindle版



posted by コースケ at 22:58| Comment(1) | 赤川次郎 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年08月25日

遅刻して来た幽霊

まずはAmazonさんの紹介ページから。

〈この恨みは、死んでも必ず残る。きっと、化けて出てやる。〉と書き遺して自殺した新入社員。
その後を追うように身を投げた上司。関連のなさそうな連続死の謎を
二人の女子社員が追う――(表題作)

平穏で幸福な未来を願う人々に、ある日突然、殺意が牙をむく。
先の読めない展開とまさかの結末に背筋が凍る傑作短編小説6篇。
事件の真相が明らかになるとき、凍りついた心は涙で溶かされる。

相変わらず、上手いタイトルを付けますよね。赤川次郎先生は。
幽霊が遅刻とはどういう意味なのか。草木も眠る丑三つ時、今で言う午前2時に
出ず、もっと遅く化けて出たのか?とか、タイトルだけで色々興味を惹かれてしまいます。

主人公は徳田実子、しかし探偵役は会社の後輩にあたる水木貞代。
田代という新入社員が会社への怨みを書いた遺書を書いて自殺し、
その後、実子が所属している課の大崎課長まで亡くなる。
そういえば、葬儀で田代によく似た人を見かけたが・・・果たして事件の真相は?

「子供のころ、私のヒーローは、エラリー・クイーンだったんですもの」という
貞代の台詞がよい。死んだ人間が生きていた?立て続けの自殺?
奇妙な謎にクイーンばりの名推理を発揮します。

本書所収作の愁眉は非常に難しい。ミステリ的な面では表題作と「幕間に死す」。
後者は過去の事件を解き明かす名短編で、最後に明かされる真相があまりに哀しい。

『ふたり』などに代表されるSF作品に連なるのが「相似形の明日」
これも非常に哀しい話なのですが、それ以上に不思議な話でもあります。
自分の痛みは自分で引き受ける、晴子の最後の台詞が素晴らしい。


遅刻して来た幽霊 (中公文庫 あ 10-18)

遅刻して来た幽霊 (中公文庫 あ 10-18)

  • 作者: 赤川 次郎
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2024/03/19
  • メディア: 文庫



posted by コースケ at 20:51| Comment(1) | 赤川次郎 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年08月11日

花嫁、街道を行く

まずはAmazonさんの紹介ページから。

彼女はどこへ行った?
事件は日本からドイツへ!
ひょんなことから探偵事務所を開くことになった女子大生・亜由美。
そこへ、行方不明になったツアコンの久美子を探して欲しいと依頼が舞い込む。
手がかりを探し、たどりついたのは、ある国の大使館。久美子を発見するが、
事件は思わぬ方向へ展開し、舞台はドイツ・ロマンチック街道へ! 
表題作ほか「あの夜の花嫁は、今」を収録。シリーズ第35弾。


シリーズも35弾ですか。赤川先生のはどれも長寿シリーズが多いですよね。
最近は大貫警部シリーズの新作が出ないので、かなり残念なのです。

本作も前作と同じく、この表題作は誰が花嫁なのか、よくわからず(笑
たぶん久美子がなるんだろうなという、少々かなりの想像を含みますが、
花嫁シリーズでなく、ノン・シリーズでもおかしくない。

最後の大団円的なところは、いくらなんでもあり得ないだろう!と
(ドイツへ行く過程も含め)思いますが、そこが赤川作品の面白さでもあります。

花嫁シリーズという意味では、「あの夜の花嫁は、今」の方が遥かにシリーズらしい。
しかも最後には2名も花嫁候補も登場しますからね。
ホテルの支配人である柳田が仕事を頼む半田や辻口、柳田はともかく、辻口は
中々面白い。さらに赤川作品の常連的な人物かもしれないベルボーイの大倉佑太も
良いキャラです。
でも大団円でないところ(いい意味で)がさらに面白いですね。
亜由美ももちろん主人公らしく頑張るのですが、本作では佑太としのぶの活躍には
及びません。この二人のちょっとした珍道中もよいのです。

谷川准教授との関係が、もう破局なのかそれとも・・・この辺りはぜひ描いてほしいです。


花嫁、街道を行く (実業之日本社文庫)

花嫁、街道を行く (実業之日本社文庫)

  • 作者: 赤川 次郎
  • 出版社/メーカー: 実業之日本社
  • 発売日: 2024/04/05
  • メディア: 文庫



posted by コースケ at 00:10| Comment(1) | 赤川次郎 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年07月14日

哀愁変奏曲

まずはAmazonさんの紹介ページから。

作曲家を夢みる二十五歳の石井栄志。
コンクールでは落選が続き、家にはピアノもないほど貧しかった。
と、そこに届いた本物のピアノ!
送り主である音楽事務所の片岡が訪ねてきて、
歌謡曲の編曲をして欲しいという。
生活のために引き受けた石井は、
人気歌手・進藤あゆみの曲を手がけることになり……(「ささやくピアノ」)。

人生は音楽と共にある。
哀愁漂うホラーサスペンス六篇を収録。

元々は集英社文庫から刊行されていたようで、その後徳間へ。
発売したばかりですが、一気に読んでしまいました。

いわゆる大団円やハッピーエンドとは違う、どの短編も
深い終わり方になっているというのが一番の感想です。

一番ホラー色が強いのは「シンバルの鳴る夜」
これはかなり怖い。
死んだ少年・純男がシンバルをうつ合図を待つ姿が見えた、
谷岡の恐怖はいかばりか。そしてその演奏が伝説として語り継がれていくという、
これ以上ない皮肉。

「イングリッシュホルンの嘆き」はラストが切なすぎる。
「弦の切れる日」だけが、唯一大団円的に終わるので、読んでいてほっとします。

「幻の鼓笛隊」は相当悲しい物語だけれども、こんな杜撰な工事をさせて
自分の見栄だけを重視するなんて、今でもありそうです。

「ささやくピアノ」は、まあ自業自得な面もあるけれど、
怖さと温かさが同居している作品ですね。

「ハープの影は黄昏に」が一番謎な作品かも。ホラーというより、SF。
彼女は若い時の主人公の母や叔母とともに写真に写っているので、
おそらく過去の亡くなっている女性なのだろうくらいしかわかりません。

なぜハーブを弾いているのか、どうして岐子の前に現れたのか(木戸を救うため?)
時間を戻せるのはなぜか。母や叔母とどういう関係なのか。
意図的にそのあたりを記さなかったのだと思います。
その方がSF的というか、赤川さん的です。しかし気になりました(笑

まだまだ多い未読の赤川次郎作品。これからも徳間文庫さん、お願いします!


哀愁変奏曲 (徳間文庫)

哀愁変奏曲 (徳間文庫)

  • 作者: 赤川次郎
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2024/07/11
  • メディア: 文庫



posted by コースケ at 00:04| Comment(1) | 赤川次郎 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年06月15日

一番長いデート

まずはAmazonさんの紹介ページから。

デートの途中で恋人が誘拐された大学生の坂口俊一。恋人の池沢友美を助けたければ
ある男を殺すよう脅されるが、実は友美は自分の恋人ではなく友人の恋人! 
代役のデートを引き受けたのだ。責任を感じた俊一は誘拐犯から渡された拳銃で
標的の男を撃ち、友美を助け出す。しかし、彼女は再び誘拐されてしまい……。
俊一は無事にデートを終えることができるのか?(表題作「一番長いデート」)
(解説 山前譲)

全3作収録の短編集。
まず、「孤独な週末」から。
これは確かかつてドラマ化されたんじゃないかなと。
継母と正実、紀子と義理の息子。どちらの立場も難しい。
思春期突入の正実くんにすれば、父親を取られたと思うのは当然でしょう。

この義理の母と息子の関係をここまでミステリに昇華させて描きつつ、
最後に紀子が魅せる愛情は素晴らしいの一言。本作愁眉でしょう。

表題作は赤川作品の常連的なもの。なぜか抗争に巻き込まれる一般人。
この主人公、家まで送るんだぞというのを忠実に守っての、
このタイトルというのが面白い。

拳銃の処理も運が良いのか悪いのか・・・(苦笑
見事になーんにも巻き込まれず大団円。これぞ赤川ユーモア・ミステリの神髄。

「殺してからではおそすぎる」、いや全くこのタイトルは物語の内容以前に、
その通りなのですが、このタイトルからどんな話を想像できますか?
非常に短い短編ですが、上手く大団円になっています。

徳間文庫の復刊も途切れずに続けてくれていて、非常にありがたい。
これからも楽しませてください。


一番長いデート (徳間文庫)

一番長いデート (徳間文庫)

  • 作者: 赤川次郎
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2024/05/10
  • メディア: 文庫



posted by コースケ at 23:24| Comment(1) | 赤川次郎 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年05月19日

殺し屋志願

まずはAmazonさんの紹介ページから。

殺し屋を看取った日から、少女の周りで何かが動き出す。傑作長編ミステリ。

朝の満員電車で、男が何者かに刺し殺された。殺害されたのは腕利きの殺し屋・鳴海。
偶然そばに居合わせ、彼の死をみとることになった17歳のみゆきは、
その日を境に奇妙な出来事に巻き込まれていく。「――殺したら?」たった一言を告げる電話と、
みゆきの前に現れた謎の女子高生・佐知子。彼女は継母を憎み、
その死を願って自ら殺し屋に近づいた少女だった――。
2人の少女の不思議な友情と秘密を鋭く描き切る、傑作長編ミステリ。

現在と過去を行き来する形で物語は進みます。
殺し屋の鳴海が佐知子に語る「殺人ってのは、くせになるんだ」という言葉が
本書を象徴していますね。

人間の殺意というものに注目した、いつものユーモア・ミステリとはひと味違う良作。
赤川作品はたまにこういうのがあるんですよね。
ラストも負の連鎖が続く展開を示唆してエンド。

殺し屋なんだけれども、鳴海が異常に好人物に見えるのは、
佐知子やみゆきの母親など、それを超える人が出ているからでしょうか。
とにかく登場人物は非常に少なく、基本は鳴海と佐知子・予史子の過去の出会いと、
みゆき、新谷母子・親子の物語だけで進むのに、徐々に異常な空気になっていくのが
また恐ろしいし、流石赤川次郎。

決してユーモア・ミステリだけではない赤川次郎。
ぜひご一読ください。


殺し屋志願 (角川文庫)

殺し屋志願 (角川文庫)

  • 作者: 赤川 次郎
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2023/12/22
  • メディア: Kindle版



posted by コースケ at 17:46| Comment(1) | 赤川次郎 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年05月05日

七番目の花嫁

まずはAmazonさんの紹介ページから。

女子大生探偵が挑むのは、発表会で起こった毒殺事件!
婚約者の前川とカフェを訪れた佐千子の命が狙われた。
偶然、居合わせた女子大生探偵・亜由美の相棒ドン・ファンが、
とっさに気づき事なきを得る。
真相が気になった亜由美は、二人が訪れるウェディングドレスのショーに潜入すると、
毒殺事件が発生する。
なんと殺されたのは、前川の四人いる元妻のうち一人で――。
表題作のほか『帰らざる花嫁』収録。

更新が止まってました。
本書、久しぶりに再読です。
前も書きましたが、元々は角川文庫で刊行されていて、
実業之日本社が文庫を創刊したことから、花嫁シリーズを最初から刊行しているんですね。

表題作はなんといっても「前妻同盟」というある意味パワーワードが強烈。
「赤毛組合」を思い出してしまいました(笑

でも7番目っていうのは、どういう意味なんだろうかと改めて疑問に。
4番目じゃ語呂が悪いからですかね。
(私が数え間違えているのかな。)


「帰らざる花嫁」は、登場人物が恋で完全に常軌を逸しているところが
中々恐ろしい。両親さえ居なければ・・・じゃないだろう。
亜由美や聡子の通っている大学、恐ろしすぎる。

起こる事件は凄惨なものの、亜由美の両親、ドン・ファン、殿永刑事らが
安定の癒やしを与えてくれています。
これがシリーズ長寿の秘訣の1つなんだろうと思います。


七番目の花嫁 (実業之日本社文庫)

七番目の花嫁 (実業之日本社文庫)

  • 作者: 赤川 次郎
  • 出版社/メーカー: 実業之日本社
  • 発売日: 2023/12/08
  • メディア: 文庫



posted by コースケ at 20:36| Comment(1) | 赤川次郎 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする