2023年05月06日

死への招待状

まずはAmazonさんの紹介ページから。

西村京太郎の描く渋い探偵が味わえる、秀逸の短編集。

私立探偵・松尾のところに、ある男の将来性を調べて欲しいと依頼があった。将来はバラ色……
と調査を終えようとした途端、事態は思わぬ方向へ。
表題作ほか、危険な男・秋葉京介の活躍も読める短編集。

十津川警部と左文字進が、御大の代表的なシリーズ探偵かもしれませんが、
佐々木丈太郎や本書に登場する秋葉京介も、御大が生み出したシリーズ探偵です。
本書は秋葉京介シリーズと、1編しか登場しないも探偵を務める者達の短編集です。

表題作が一番面白いかなあと思います。後味はかなり悪いですが。
こういう「依頼」は意外と多いのでは無いかと。自分を客観的に見つめるために。
まあ母親の過保護が異常なのもあって、あまりにも不運すぎる最期です。

「血の挑戦」も読ませる中編です。日本の探偵の「特色」的なものを述べながら、
クライマックスではそれとは真逆のやりとりが繰り広げられるのは、良いですね。

かつて御大のノンシリーズ長編で傑作・秀作ものはだいたい(入手可能なものは)
読んだと思いますが、今度は短編も集めたいと思います。


死への招待状 (角川文庫)

死への招待状 (角川文庫)

  • 作者: 西村 京太郎
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2017/05/25
  • メディア: Kindle版



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2022年05月04日

午後の脅迫者 新装版

まずはAmazonさんの紹介ページから。

警察官が手を染めた犯罪のからくりは、想定外の結末にいたる。私立探偵が夢みた成功報酬の三千万円は、いったい誰の手にわたるのか? 妻は会社を経営する夫の素行調査を探偵社に依頼した。夫は探偵にしっぽをつかまれるが、逆に妻に「男」を作ってくれれば三千万円を出すという。成功直前のある夜、探偵の眼の前でフラッシュが光って……。トリックの妙を示した秀作ぞろいの作品集。

数多くの著作を遺された西村京太郎先生。
私もこのブログでいくつか紹介させていただきましたが、まだまだ傑作・秀作は
埋もれているようです。

先生の作品は長編が多いので、短編集というのは中々珍しいのではないでしょうか。

所収作愁眉は「職業婦人」。これはダントツに面白い。
むろん、これが書かれた時代と、時代背景。そもそもこのタイトルからしてもう?の方
も多いと思いますが、今のこの時代にこれを読むと、またまるで違う味わいも出てきますね。
一方、動機、ハウダニットを追及したミステリとしても、一級品ではないかと思います。


「二一・〇〇に殺せ」は、このタイトルが秀逸。本編で出てきますが、なぜ午後9時では
なく、このように表現したのか。そこから推理を組み立てる展開が面白いです。

「美談崩れ」は特ダネを追う、ある地方記者の物語。
どういう結末に落ち着くのか、高木が到達したある結論は、読者からすると、
おおよそ予想がつくものなのですが、そこで終わらないところが本作の狙いでしょうか。

「柴田巡査の奇妙なアルバイト」は現代社会で実際に行われていそうな、
ドキュメンタリーかと思う話です。
ラストの切れ味はは本書所収作で一番かと。

西村作品はトラベルミステリーだけにあらず。
皆さんもぜひ色々手にとってもらいたいです。


午後の脅迫者 新装版 (講談社文庫)

午後の脅迫者 新装版 (講談社文庫)

  • 作者: 西村 京太郎
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2022/03/15
  • メディア: 文庫




posted by コースケ at 00:16| Comment(5) | 西村京太郎 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年03月06日

西村京太郎先生、お疲れ様でした。

91歳まで現役を続けこらえた先生にまずは敬意を表したいと思います。

世間的に見れば、トラベルミステリーという分野を開拓した、
まさに第一人者、そして2時間ドラマには欠かせないシリーズ原作者といえるでしょう。

一方で、このトラベルミステリーの大ヒットのおかげで、各出版社が
ミステリ(本格、新本格なども含め)という分野に財源を回せるようになったのではないか
とも思っているのです。

ミステリファンならば、やはり初期の「天使の傷痕」「四つの終止符」
そしてスパイミステリの傑作「D機関情報」、
さらには青春ミステリ「おれたちはブルースしか歌わない」

そしてそして、なんと言っても「そして誰もいなくなった」に真正面から挑んだ
作品である「殺しの双曲線」。
パロディであって見事な本格ミステリである、名探偵4部作。

実は島も多いのです、「伊豆七島殺人事件」「幻奇島」「南神威島」
拙ブログでも色々とご紹介させて頂きました。
(「神話列車殺人事件」や「鬼女面殺人事件」も素晴らしい。)

そしてそして、やはり「消失モノ」は忘れてはいけません。
十津川警部が活躍する「消えたタンカー」、左文字進登場の「消えた巨人軍」
「ミステリー列車が消えた」、「華麗なる誘拐」「盗まれた都市」等々・・・
挙げればキリがありませんね。

「寝台特急殺人事件」、「終着駅殺人事件」、これらも名作です。
事件現場を作り出してしまう「七人の証人」は十津川警部シリーズでも異色の傑作。

昨年まで自筆原稿で入稿されていたとのこと。
大往生の御年齢ではもちろんありますが、まだまだお元気で執筆して頂きたかった
のもまた事実。

先生、多種多様な作品を生み出して頂き、ありがとうございました。合掌。



四つの終止符 (講談社文庫)

四つの終止符 (講談社文庫)

  • 作者: 西村京太郎
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2013/11/15
  • メディア: Kindle版



新装版 天使の傷痕 (講談社文庫)

新装版 天使の傷痕 (講談社文庫)

  • 作者: 西村京太郎
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2015/03/13
  • メディア: Kindle版



新装版 殺しの双曲線 (講談社文庫)

新装版 殺しの双曲線 (講談社文庫)

  • 作者: 西村京太郎
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2012/10/18
  • メディア: Kindle版



おれたちはブルースしか歌わない (講談社文庫)

おれたちはブルースしか歌わない (講談社文庫)

  • 作者: 西村京太郎
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2017/06/30
  • メディア: Kindle版



華麗なる誘拐 (河出文庫)

華麗なる誘拐 (河出文庫)

  • 作者: 西村京太郎
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2020/07/04
  • メディア: 文庫



左文字進探偵事務所 消えた巨人軍(ジャイアンツ)

左文字進探偵事務所 消えた巨人軍(ジャイアンツ)

  • 作者: 西村京太郎
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2017/01/31
  • メディア: Kindle版



ミステリー列車が消えた(新潮文庫)

ミステリー列車が消えた(新潮文庫)

  • 作者: 西村 京太郎
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2014/09/05
  • メディア: Kindle版



神話列車殺人事件〈新装版〉 (徳間文庫)

神話列車殺人事件〈新装版〉 (徳間文庫)

  • 作者: 西村京太郎
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2012/11/02
  • メディア: 文庫



新版 名探偵なんか怖くない (講談社文庫)

新版 名探偵なんか怖くない (講談社文庫)

  • 作者: 西村 京太郎
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2006/07/12
  • メディア: 文庫



終着駅(ターミナル)殺人事件 (光文社文庫)

終着駅(ターミナル)殺人事件 (光文社文庫)

  • 作者: 西村 京太郎
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2009/10/08
  • メディア: 文庫



七人の証人 新装版 (講談社文庫)

七人の証人 新装版 (講談社文庫)

  • 作者: 西村 京太郎
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2021/06/15
  • メディア: 文庫
posted by コースケ at 20:32| Comment(1) | 西村京太郎 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年04月21日

マンション殺人

まずはAmazonさんの紹介ページから。

西洋の城をイメージした都心の高級マンション。モデルルーム見学に訪れた客の一人が、
浴室で何者かに撲殺された。三日後、郊外にある団地の浴室で、またも撲殺死体が発見される!
類似した殺人の手口。そして二人の被害者が持っていた同じ偽造名刺。
深まる謎に刑事たちが戸惑う中、さらなる殺人事件が続発する。不動産業界の闇を映す、
長編社会派ミステリー。

西村御大初期の社会派ミステリ。
品川署の田島刑事と、北多摩署の園田刑事、この二人の刑事の地道で、執念ともいえる
捜査の過程、そして犯人を突き止めるまでの、二人の刑事の捜査が丁寧に描かれます。

それにしても、最初のモデルルームで殺人というのは、かなり挑戦的な殺人です。
一緒にモデルルームを見学に行った人物の中に、犯人がいると考えるのは必然でしょう。
犯人にとっては、「マンション」という場所で殺人を犯すことに拘った動機があり、
それが、本書を社会派と言わしめる理由でもあります。

とにかく被害者と容疑者の繋がりを洗おうとする田島刑事のしつこさは本当にすごい。
現実に自分がやられたら堪りませんが(笑

ところで、、、品川駅前の高層マンションで、価格がなんと1500万から2000万という
最初の場面で驚きます。当時は安かったんだなあ・・・(笑)むろん当時の金銭価値も
違うので、一概に比較は当然できませんが。
高層マンション(タワーマンション)を求めるのは今も昔も変わらず、ですね。



マンション殺人 (光文社文庫)

マンション殺人 (光文社文庫)

  • 作者: 西村 京太郎
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2017/05/26
  • メディア: Kindle版



マンション殺人

マンション殺人

  • 作者: 西村京太郎
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2016/12/16
  • メディア: Kindle版
posted by コースケ at 22:57| Comment(4) | 西村京太郎 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年02月16日

仮装の時代 富士山麓殺人事件

まずはAmazonさんの紹介ページから。

この世には勝者と敗者しかいない。あらゆる策を弄して自分は勝者になる
―幼時に両親を失いアルバイト生活を送る早川吾郎は、新聞・テレビ界を牛耳る
“マスコミの帝王”五味大造を叩き潰すことを決意する。手始めに五味の愛娘・奈美子に近付き、
背後にうごめく疑惑を探ることに。手を変え品を変えて五味を罠にかける早川、
反撃に転じる五味。手に汗握る死闘の行方は!謎とサスペンス満載の傑作長篇!初期代表作!

本作はどういう作品になるのか、とても難しい作品です。
ググると、ピカレスク・ロマン(悪漢小説)と書かれています。

とにかく主人公の早川吾郎の野心がすごい。娘である奈美子への近づき方だけでなく、
五味大造に直接ケンカを売る場面なども中々大胆です。
しかし、五味も言うとおり、単なる負け犬の遠吠え的な面は自他ともに認識しており、
五味の弱みをどうにか掴もうとするところが、本書の分岐点でもあります。
正義感溢れる貴生知勝とのコンビが、驚愕のラストをもたらすことになるのですが、
果たしてこれは早川の望んだことだったのでしょうか?

一方で、早川・美奈子・江崎の三角関係も描かれていて、これがまた1つの物語に
なっています。特に、野心一筋の早川なのに、彼に微妙な揺れをもたらす恋や愛という
感情があるところが、早川という人物に少し人間味を感じます。

しかし、美奈子からの手紙で究極の選択をした早川が選んだ道が、
結果的には上記の驚愕のラストを迎えることになるのは、ある意味必然だったのでしょう。

西村御大の初期作品群は本当におもしろいものばかりです。
本書は全くしりませんでしたが、徳間文庫さんの復刊は本当に有り難い。
これからもどうぞ名作の復刊をお願いします。



仮装の時代 富士山麓殺人事件 (徳間文庫)

仮装の時代 富士山麓殺人事件 (徳間文庫)

  • 作者: 西村京太郎
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2019/12/06
  • メディア: 文庫



仮装の時代 (光文社文庫)

仮装の時代 (光文社文庫)

  • 作者: 西村 京太郎
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2020/02/16
  • メディア: 文庫
posted by コースケ at 18:58| Comment(5) | 西村京太郎 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年04月27日

怖ろしい夜

まずはAmazonさんの紹介ページから。

秋山は商事会社の平凡なサラリーマンだ。給料日、28歳になる恋人の明子に結婚を申し込んだところ、
あと半年待って欲しいと言われた。半年したら叔母の莫大な遺産が入るというのだ。
だが、彼女はその晩何者かに殺されてしまう。しかも彼女には叔母などいなかった。
秋山は殺人犯の容疑をきせられ逃亡するが……。
事件の裏には意外な事実が!!(「夜の追跡者」) 妖しい夜、寂しい夜、暗い夜。
様々な夜をテーマにしたオリジナル短編集。

久しぶりの西村御大の作品です。以下、少しネタバレ。




オススメは「怠惰な夜」と「夜の脅迫者」
この2編、似ているんですよね。いずれも自業自得というか、藪をつついて蛇を出す
かのような話です。
特に前者は、遺産を狙うという明瞭な目的があるとしか思えない状況を、
実にうまく利用した木村京子の作戦勝ちでしょう。


刑事モノとしては中々秀逸なのは「夜の牙」
十津川警部&亀井刑事のコンビが有名ですが、この三井刑事&安田刑事の
他の作品も読みたくなりました。

「夜の追跡者」は付き合っていた彼女の嘘から始まる男の悲劇ですが、
本作はラストがある意味どんでん返し的な話なんですが、
絶対この刑事は処分されるだろうと思います(笑
付けている間にさらに人が殺されているじゃないかと。


怖ろしい夜 (角川文庫)

怖ろしい夜 (角川文庫)

  • 作者: 西村 京太郎
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2019/01/24
  • メディア: 文庫



怖ろしい夜 (角川文庫)

怖ろしい夜 (角川文庫)

  • 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店
  • 発売日: 2019/01/24
  • メディア: Kindle版
posted by コースケ at 17:20| Comment(4) | 西村京太郎 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年01月08日

華麗なる誘拐

西村作品の中でも誘拐ものは初期に多く書かれました。
その中でも愁眉と言えるのが本作ではないでしょうか。

まずはAmazonさんの紹介ページから。

新宿超高層ビル街の喫茶店で若いカップルが殺された。
シュガーポットに入れられた毒物による無差別殺人の始まりだった。
事件の三日前、蒼き獅子たち(ブルーライオンズ)と名乗る男から
首相公邸にかかってきた怪電話が現実のものとなったのだ。
「日本国民一億二千万人を誘拐した。五千億円を支払え」
大胆な着想の本格長編推理。

一億二千万人をどうやって誘拐するのか?
本作愁眉はもうこの一点でしょう。

ブルーライオンズから危害を加えられない方法を
用意し、それが事実上の「身代金」な訳です。
まさに逆転の発想。

ただし、物語後半の左文字が彼らに同情するシーン。
これは左文字の言うとおりなのですが、
彼らの引き際や最初の予期せぬ出来事が
結果的に、この犯罪を失敗させてしまいました。

また本作は荒削りな面は結構あります(笑
ただそれを補って余りある見事な「誘拐」ではないでしょうか。


華麗なる誘拐 (徳間文庫―左文字進探偵事務所)

華麗なる誘拐 (徳間文庫―左文字進探偵事務所)

  • 作者: 西村 京太郎
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2000/07
  • メディア: 文庫



華麗なる誘拐 (講談社文庫)

華麗なる誘拐 (講談社文庫)

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1995/03/15
  • メディア: Kindle版
posted by コースケ at 00:37| Comment(5) | TrackBack(0) | 西村京太郎 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年11月04日

新装版 天使の傷痕

まずはAmazonさんの紹介ページから。

武蔵野の雑木林でデート中の男女が殺人事件に遭遇。
瀕死の被害者は「テン」と呟いて息を引き取った。意味不明の「テン」とは何を指すのか。
デート中、事件を直接目撃した田島は、新聞記者らしい関心から周辺を洗う。
「テン」は天使と分かったが、事件の背後には予想もしない暗闇が広がっていた。
第11回江戸川乱歩賞受賞作。

最近西村京太郎御大の作品記事が多いです。
大きな書店に行ったりすると、未読のがあるかなあと見つけたり
しているためです(笑

とはいえ、本作は江戸川乱歩賞受賞作にして、
西村作品の中でも超が付くほど必読な作品でしょう。

いわゆるトラベルミステリー以前の御大は、社会派、パロディ+本格、
サスペンス+社会派的なもの、とかなり幅広く執筆されています。
というか、本作の仁木悦子先生の解説がずばりなのでそちらを(苦笑

本作も被害者の残したダイイングメッセージである「テン」の意味。
そして犯人の動機は一体何なのか?
この二つが大きな謎として物語が展開されます。
(尚、犯人はだいたい予想が付くのでは)

そしてこの二つが明らかになった時、この事件の全貌がついに
正体を現しますが、この作品が昭和40年に書かれた事を鑑みれば、
すごいの一言に尽きます。

特にラストの描写で、被害者に焦点を当てて終幕するのも
上手いです。

というわけで、「四つの終止符」も購入しようかな(苦笑


新装版 天使の傷痕 (講談社文庫)

新装版 天使の傷痕 (講談社文庫)

  • 作者: 西村 京太郎
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2015/02/13
  • メディア: 文庫



新装版 天使の傷痕 (講談社文庫)

新装版 天使の傷痕 (講談社文庫)

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2015/02/13
  • メディア: Kindle版



天使の傷痕 (講談社文庫)

天使の傷痕 (講談社文庫)

  • 作者: 西村 京太郎
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1976/05/26
  • メディア: 文庫
posted by コースケ at 20:02| Comment(2) | TrackBack(0) | 西村京太郎 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年10月12日

隣り合わせの殺意

マンションのゴミ置場でゴミ袋を漁っていた黒猫が、人間の指をくわえた。
目撃した久仁子は雑誌記者の夫に相談したが、半信半疑の様子。
そこで近くの病院に当たるが、指を切り落とした患者はいなかった。
410号室の若い男がこっそり飼っている猫ではないかというのだが…。
日常生活に潜む悪意を描いた「隣りの犯人」ほか傑作ミステリー集。
                        (Amazonさんの紹介ページから)

「隣りの犯人」以外は既発表の作品からの再録ですが、
私としては、「奇妙なラブ・レター」のみ既読で、他は全て初読。

「一千万円のアリバイ」がオススメ。
これは全く予想できませんでしたね。

これと類似の作品が「三億円の悪夢」。
ただし、こちらはなんとか主人公は助かりますが、
刑事が最後に言うセリフは怖い。というか、現実を示唆しているかのようです。

しかしこのタイトルは、いつ、どこで自らが事件に巻き込まれても
おかしくないという、警告のようなものですね。



隣り合わせの殺意 (徳間文庫)

隣り合わせの殺意 (徳間文庫)

  • 作者: 西村京太郎
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2011/09/02
  • メディア: 文庫
posted by コースケ at 01:14| Comment(2) | TrackBack(0) | 西村京太郎 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年09月28日

一億二千万の殺意

まずはAmazonさんの紹介ページから。

内密に、やって貰いたい仕事がある―三上刑事部長に呼ばれた十津川は面くらった。
羽島国務大臣が何者かに脅迫されているという噂があるらしい。
羽島は内閣の提出した法改正案や総理の方針に反対するという失言を重ねていた。
羽島の故郷・鳥取へ極秘裏に向かった十津川が掴んだ意外な真実…!?
「十津川警部の孤独な捜査」をはじめ、文庫初収録作「母親」を含む傑作ミステリー集。

十津川警部の孤独な捜査、は刑事部長から内々に捜査を命じられるという、
シリーズの中では非常に珍しい作品です。
決して自分の身分を明かさず、まさに「孤独」な捜査を行う十津川。
トラベルミステリーとはまた違う十津川の一面や作品性が良いです。

「海辺の悲劇」は少年と義母との微妙な関係を描く作品。
十代の少年少女の物語は赤川次郎さんの真骨頂でもありますが、
西村御大も「危険な遊び」など、多く書かれています。

初収録となる「母親」も短いながら、読ませます。
御大の短編て、再録も多いですが、おそらくはまだ未収録短編とか
普通にありそうですねえ。

読書の秋を今年は目指したいなあ。


一億二千万の殺意 (徳間文庫)

一億二千万の殺意 (徳間文庫)

  • 作者: 西村京太郎
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2011/10/07
  • メディア: 文庫
posted by コースケ at 01:05| Comment(1) | TrackBack(0) | 西村京太郎 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする