まずはAmazonさんの紹介ページから。
僕は、名探偵になる。世界一大切な人のために――
切なくて、愛おしい青春本格ミステリ!
小学4年だった僕は、となり町の幽霊団地へささやかな冒険に出た。
その冒険に不穏な影が差したとき助けてくれたのが、近所に住む名探偵の「お姉ちゃん」だった。
彼女のとなりで成長していく日々のなかで、日本中を騒がせることになるあの事件が起きる――。
ミステリとしての精緻さと、青春小説としての瑞々しさが高純度で美しく結晶した傑作。
本書は星川少年の成長物語であるとともに、初恋の人をずっと想い続けているという、
青春小説ともいえるでしょう。隣に住む千歳お姉ちゃんとともにある意味歩んでいく人生。
第5話構成ですが、私の愁眉は第2話「恋するドトール」。
星川少年がもらったラブレターから、この驚異的な謎に行き着くのはすごいの一言。
一方で、このトリックを成り立たせた犯人の恐ろしい執念も感じますね・・・
第4話・第5話は本作で殺人事件が描かれ、さらに少年にとっては千歳お姉ちゃんの彼氏が
登場するという、衝撃の回でもあります。
そして新たな名探偵が登場する回でもあります。
第4話はこれまで通り、頼りっぱなしだった千歳が探偵役を務め、
第5話は、星川少年が名探偵として「誕生」します。
トリックでいえば本話のトリックはかなり見事です。ただし犯人とそれをかばった
お姉ちゃんの彼氏の対応がちょっとなあ・・・。
ラストも、個人的にはそのまま二人が結婚で良かった気もしましたね。
2022年02月23日
2021年05月26日
卒業したら教室で
まずはAmazonさんの紹介ページから。
伊神さんの卒業から丸一年、市立高校にまた卒業の季節がやってきた。今年は柳瀬さんをはじめ、
仲のよかった先輩たちが高校を巣立っていく。そんな、しんみりとしたある日の放課後、
秋野麻衣が、おずおずと不思議な出来事を目撃したと相談に来た。
鍵のかかった真っ暗なCAI室のパソコンに向かって、誰かが何かをしていたらしい。
調査の結果、書道室をはじめ部室棟でも同様に謎の人物の出現と消失の情報が寄せられる。
卒業生でもある教師によると、神出鬼没で出現する「兼坂さん」という
市立七不思議の一つだと分かるが……。
トリックメーカーである著者が贈る、〈市立高校シリーズ〉最新作。
以下、ややネタバレあり。
市立高校の名探偵・伊神さんが卒業して早1年。
ついに、柳瀬さんも卒業に。
しかしそんな中、市立高校の七不思議の八番目「兼坂さん」という謎が登場。
葉山くんは柳瀬さんの卒業に微妙な思いを馳ながら、伊神さんすら解けなかったと
言われる「兼坂さん」事件に挑む!
本書はシリーズ中でもターニングポイント的な作品ではないかと勝手に思いました。
なぜ伊神さんは名探偵なのか?その謎が実は解き明かされます。
この流れでいくと、次作以降は伊神さんは御役御免になるので、登場しない
可能性が高いのですが、どうなんでしょう?さみしすぎる。
しかしたまにご飯を作りに行っているとは、葉山くんもマメというか何というか・・・
途中に挿入される異世界モノは、12年後に描かれた「兼坂さん」事件の真相を
世界観と登場人物を上手く変えて暴いているという、これまた不思議な物語に
なっています。ちなみにこのパートは全部読めませんでした(苦笑)
5章において、葉山くんはこの「兼坂さん」事件の謎を伊神さんを相手に
名推理を披露するのですが、実は謎には続きがあったのです。
本世界の12年後で登場するの葉山くんとミノこと三野小次郎の2人のみ。
そして「未来-12年後(5)」において、12年越しに葉山君とミノは「兼坂さん」事件の
真相にたどり着きます。真の黒幕は誰であったのを、この異世界魔法物語の作者の
正体とともに知る事に。
それにしても「あとがき」の後に「第6章」とは、そしてその内容もなんだか
シリーズ完結の雰囲気が出ていて、もの悲しさを感じますね。
3年生に進級する葉山くんと卒業した伊神さん&柳瀬さんコンビの活躍は
果たして書かれるのかどうか。読みたい気持ちもありつつも、
本書の12年後で語られた内容が、続編を読んだとき、頭をよぎるだろうなあ。
伊神さんの卒業から丸一年、市立高校にまた卒業の季節がやってきた。今年は柳瀬さんをはじめ、
仲のよかった先輩たちが高校を巣立っていく。そんな、しんみりとしたある日の放課後、
秋野麻衣が、おずおずと不思議な出来事を目撃したと相談に来た。
鍵のかかった真っ暗なCAI室のパソコンに向かって、誰かが何かをしていたらしい。
調査の結果、書道室をはじめ部室棟でも同様に謎の人物の出現と消失の情報が寄せられる。
卒業生でもある教師によると、神出鬼没で出現する「兼坂さん」という
市立七不思議の一つだと分かるが……。
トリックメーカーである著者が贈る、〈市立高校シリーズ〉最新作。
以下、ややネタバレあり。
市立高校の名探偵・伊神さんが卒業して早1年。
ついに、柳瀬さんも卒業に。
しかしそんな中、市立高校の七不思議の八番目「兼坂さん」という謎が登場。
葉山くんは柳瀬さんの卒業に微妙な思いを馳ながら、伊神さんすら解けなかったと
言われる「兼坂さん」事件に挑む!
本書はシリーズ中でもターニングポイント的な作品ではないかと勝手に思いました。
なぜ伊神さんは名探偵なのか?その謎が実は解き明かされます。
この流れでいくと、次作以降は伊神さんは御役御免になるので、登場しない
可能性が高いのですが、どうなんでしょう?さみしすぎる。
しかしたまにご飯を作りに行っているとは、葉山くんもマメというか何というか・・・
途中に挿入される異世界モノは、12年後に描かれた「兼坂さん」事件の真相を
世界観と登場人物を上手く変えて暴いているという、これまた不思議な物語に
なっています。ちなみにこのパートは全部読めませんでした(苦笑)
5章において、葉山くんはこの「兼坂さん」事件の謎を伊神さんを相手に
名推理を披露するのですが、実は謎には続きがあったのです。
本世界の12年後で登場するの葉山くんとミノこと三野小次郎の2人のみ。
そして「未来-12年後(5)」において、12年越しに葉山君とミノは「兼坂さん」事件の
真相にたどり着きます。真の黒幕は誰であったのを、この異世界魔法物語の作者の
正体とともに知る事に。
それにしても「あとがき」の後に「第6章」とは、そしてその内容もなんだか
シリーズ完結の雰囲気が出ていて、もの悲しさを感じますね。
3年生に進級する葉山くんと卒業した伊神さん&柳瀬さんコンビの活躍は
果たして書かれるのかどうか。読みたい気持ちもありつつも、
本書の12年後で語られた内容が、続編を読んだとき、頭をよぎるだろうなあ。
2016年06月02日
家庭用事件
まずはAmazonさんの紹介ページから。
市立高校に入学したばかりの頃は、こんなにも不可思議な事件に巻き込まれて、
波瀾万丈な学園生活を送るとは、僕は想像だにしていなかった――。
『理由あって冬に出る』の出来事以前に映画研究会とパソコン研究会との間に起こった、
柳瀬さん取り合い騒動を描く「不正指令電磁的なんとか」。
葉山君の自宅マンションで起こった怪事件「家庭用事件」。
葉山君の妹・亜理紗の学校の友人が遭遇したひったくりから、
葉山家の秘密が垣間見られる「優しくないし健気でもない」など、
5つの謎を描いたシリーズ第2短編集。
葉山くん最初の事件「理由あって冬に出る」以前に起きた
ちょっと不思議な事件から、
伊神さん卒業後までを描く作品集。
葉山くんが主人公ですが、探偵役は最後以外は伊神さん。
電話で聞いただけで解いてしまう彼はまごうことなく名探偵。
本短編集愁眉である「優しくないし健気でもない」は
全編にある「仕掛け」があります。
あえて「仕掛け」と書いたのは、「叙述トリック」と言っていいものか
どうか悩んだ結果です。
この話は今後のシリーズに繋がってくるんでしょうね。
久しぶりの短編集、楽しめました。
市立高校に入学したばかりの頃は、こんなにも不可思議な事件に巻き込まれて、
波瀾万丈な学園生活を送るとは、僕は想像だにしていなかった――。
『理由あって冬に出る』の出来事以前に映画研究会とパソコン研究会との間に起こった、
柳瀬さん取り合い騒動を描く「不正指令電磁的なんとか」。
葉山君の自宅マンションで起こった怪事件「家庭用事件」。
葉山君の妹・亜理紗の学校の友人が遭遇したひったくりから、
葉山家の秘密が垣間見られる「優しくないし健気でもない」など、
5つの謎を描いたシリーズ第2短編集。
葉山くん最初の事件「理由あって冬に出る」以前に起きた
ちょっと不思議な事件から、
伊神さん卒業後までを描く作品集。
葉山くんが主人公ですが、探偵役は最後以外は伊神さん。
電話で聞いただけで解いてしまう彼はまごうことなく名探偵。
本短編集愁眉である「優しくないし健気でもない」は
全編にある「仕掛け」があります。
あえて「仕掛け」と書いたのは、「叙述トリック」と言っていいものか
どうか悩んだ結果です。
この話は今後のシリーズに繋がってくるんでしょうね。
久しぶりの短編集、楽しめました。
2013年05月30日
昨日まで不思議の校舎
超自然現象研究会が配布した「市立七不思議」特集。
壁男、立ち女、<天使>の貼り紙、フルートを吹く幽霊・・・
どれもこれまで葉山くんが関係してきたものばかりだ(笑
しかし残りの3つ、カシマレイコ、花子さん、口裂け女を
模倣したかのような事件が学校内で起きる。
誰が、何のために?
「彼女」である柳瀬さんや親友ミノとともに、再び調査に乗り出す葉山くん。
そしてあの人も・・・
ややネタバレ。
シリーズ第5弾にして、かつて葉山くんたちが遭遇してきた
市立の謎の総決算的な位置づけの作品ではないかと思います。
第1作ではワトソン役であった葉山くんも、
ヒロイン柳瀬さんを得て(笑)探偵役へと成長し、
新学期編では見事な活躍でした。
本作では、3つの事件が共通しているものと考えてしまいがちですが、
実は・・・という流れ。
が、そこで終わる訳ではないのが一捻り効いています。
とはいえこれを看破したのは伊神さんであり、
最後もそれが真相であったのかどうかはわからないまま物語
は幕を閉じます。
学校にまつわる七不思議をデビュー作から取り上げてきた
作者さまですが、ここにきてその集大成を魅せてくれたという感想です。
最後の一捻りは「理由あって冬に出る」の最後のどんでん返しを
彷彿とさせるものがありますが、
これまでのシリーズを読んで改めて考えると、
伊神さんならば、もっと早く気付いてたんじゃないか?という
ツッコミを入れたくなってしまうのもまた事実(苦笑)
ところでこの学校、危機意識?リスクマネジメントが低すぎるよなあ。
あとがきによると、物語はまだまだ終わりではないようなので、
ホッとしました。
葉山&柳瀬カップルの行方が気になりますな。
壁男、立ち女、<天使>の貼り紙、フルートを吹く幽霊・・・
どれもこれまで葉山くんが関係してきたものばかりだ(笑
しかし残りの3つ、カシマレイコ、花子さん、口裂け女を
模倣したかのような事件が学校内で起きる。
誰が、何のために?
「彼女」である柳瀬さんや親友ミノとともに、再び調査に乗り出す葉山くん。
そしてあの人も・・・
ややネタバレ。
シリーズ第5弾にして、かつて葉山くんたちが遭遇してきた
市立の謎の総決算的な位置づけの作品ではないかと思います。
第1作ではワトソン役であった葉山くんも、
ヒロイン柳瀬さんを得て(笑)探偵役へと成長し、
新学期編では見事な活躍でした。
本作では、3つの事件が共通しているものと考えてしまいがちですが、
実は・・・という流れ。
が、そこで終わる訳ではないのが一捻り効いています。
とはいえこれを看破したのは伊神さんであり、
最後もそれが真相であったのかどうかはわからないまま物語
は幕を閉じます。
学校にまつわる七不思議をデビュー作から取り上げてきた
作者さまですが、ここにきてその集大成を魅せてくれたという感想です。
最後の一捻りは「理由あって冬に出る」の最後のどんでん返しを
彷彿とさせるものがありますが、
これまでのシリーズを読んで改めて考えると、
伊神さんならば、もっと早く気付いてたんじゃないか?という
ツッコミを入れたくなってしまうのもまた事実(苦笑)
ところでこの学校、危機意識?リスクマネジメントが低すぎるよなあ。
あとがきによると、物語はまだまだ終わりではないようなので、
ホッとしました。
葉山&柳瀬カップルの行方が気になりますな。
2012年02月12日
いわゆる天使の文化祭
2011年06月22日
まもなく電車が出現します
「さよならの次にくる<新学期編>」にて
名探偵・伊神さんは卒業してしまいました。
そして新部員を迎え、自らも進級した葉山君。
そして伊神さんが抱える最大の謎を解き明かし・・・・
というのが前作までのお話。
今回、似鳥さんの新刊という事で、新シリーズなのか?
それとも伊神&葉山シリーズなのかと気になってたとこでしたが、
葉山君でしたねえ。
この短編集、伊神さんの直前と、卒業後、つまり
大学へ通いだしてからという、新学期編・前後編の間、そして
その後のお話が書かれています。
本作白眉は「今日から彼氏」ですが、それは後に述べるとして、
「シチュー皿の底は並行宇宙に繋がるか?」がオススメ。
ミノの優しさと頭脳明晰さ(?)がよくわかる一編。
「今日から彼氏」、ついにきましたね、このお話(苦笑
いやまさか葉山くんが告白されるとは思わなかったのですが、
その辺りの謎は葉山くん、完全に読み間違いをしてしまいまして、
全ては伊神さんの推理で明らかに。
しかし、その後の柳瀬さんへの葉山くんの行動までもは
さすがに伊神さんも推理できなかったようで(笑
なんかハッピーエンドで、このままシリーズ終わり?なんて
気にもなりますが、どうなるんだろ。
このシリーズ、どうしても米澤穂信さんの<古典部>シリーズと
重なる部分が大きくて、
いずれ折木&千反田さんもこんなふうに・・・と勝手なる妄想していました(汗
今度は伊神さんの大学での事件簿が読みたいですね。
名探偵・伊神さんは卒業してしまいました。
そして新部員を迎え、自らも進級した葉山君。
そして伊神さんが抱える最大の謎を解き明かし・・・・
というのが前作までのお話。
今回、似鳥さんの新刊という事で、新シリーズなのか?
それとも伊神&葉山シリーズなのかと気になってたとこでしたが、
葉山君でしたねえ。
この短編集、伊神さんの直前と、卒業後、つまり
大学へ通いだしてからという、新学期編・前後編の間、そして
その後のお話が書かれています。
本作白眉は「今日から彼氏」ですが、それは後に述べるとして、
「シチュー皿の底は並行宇宙に繋がるか?」がオススメ。
ミノの優しさと頭脳明晰さ(?)がよくわかる一編。
「今日から彼氏」、ついにきましたね、このお話(苦笑
いやまさか葉山くんが告白されるとは思わなかったのですが、
その辺りの謎は葉山くん、完全に読み間違いをしてしまいまして、
全ては伊神さんの推理で明らかに。
しかし、その後の柳瀬さんへの葉山くんの行動までもは
さすがに伊神さんも推理できなかったようで(笑
なんかハッピーエンドで、このままシリーズ終わり?なんて
気にもなりますが、どうなるんだろ。
このシリーズ、どうしても米澤穂信さんの<古典部>シリーズと
重なる部分が大きくて、
いずれ折木&千反田さんもこんなふうに・・・と勝手なる妄想していました(汗
今度は伊神さんの大学での事件簿が読みたいですね。
2009年09月03日
さよならの次にくる<新学期編>
前作で葉山くんを避けていた伊神さん。
そしてなぜか住所変更がされていない伊神さんの自宅。
旧住所に残された奇妙なメモ。
全ての謎に終止符を。
というわけで後編、<新学期編>です。
以下ちょっとネタバレ。
前作での伊神さんの行動からか、
伊神さんが第1話から登場したのは
ちょっと残念です(笑
葉山くんにもっと頑張ってもらいたかった。
本作は連作短編集となっていますが、
やはり最初の「ハムスターの騎士」が
事件の謎・トリックともにおもしろかったです。
まあ「春の日の不審な彼女」にて
この事件の全貌は明らかになるわけですが・・・
最後の最後に葉山くん自身が謎を解く第8話。
とはいえ伊神さんは自身を巡る謎すら
すでに知っていた訳ですが(苦笑
「新入生」佐藤希ちゃんからの
アプローチ(実は違うのですが)
を受けたときに「柳瀬さんが浮かぶ」という
葉山くんになぜか笑った。
さてこのシリーズ、完結なのかな。
もう少し引っ張ってほしいですね。
そしてなぜか住所変更がされていない伊神さんの自宅。
旧住所に残された奇妙なメモ。
全ての謎に終止符を。
というわけで後編、<新学期編>です。
以下ちょっとネタバレ。
前作での伊神さんの行動からか、
伊神さんが第1話から登場したのは
ちょっと残念です(笑
葉山くんにもっと頑張ってもらいたかった。
本作は連作短編集となっていますが、
やはり最初の「ハムスターの騎士」が
事件の謎・トリックともにおもしろかったです。
まあ「春の日の不審な彼女」にて
この事件の全貌は明らかになるわけですが・・・
最後の最後に葉山くん自身が謎を解く第8話。
とはいえ伊神さんは自身を巡る謎すら
すでに知っていた訳ですが(苦笑
「新入生」佐藤希ちゃんからの
アプローチ(実は違うのですが)
を受けたときに「柳瀬さんが浮かぶ」という
葉山くんになぜか笑った。
さてこのシリーズ、完結なのかな。
もう少し引っ張ってほしいですね。

さよならの次にくる<新学期編> (創元推理文庫) (創元推理文庫 M に 1-3)
- 作者: 似鳥 鶏
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2009/08/30
- メディア: 文庫
2009年07月14日
さよならの次にくる<卒業式編>
『理由あって冬に出る』で第16回鮎川哲也賞
を受賞し、デビューした似鳥鶏さん。
本作はその続編に当たります。
しかもなんと本書は前後編。
前作は長編でしたが、
本作は連作短編集。
しかも主人公である葉山くんが登場
しない話もあります(ネタバレですね・苦笑)
さらに探偵役である伊神さんが推理するのは
収録内4編中2編のみ。
そして断章という形で、伊神さんに関わる
謎めいた話が展開されます。
最終章「卒業したらもういない」で、
伊神さんは卒業してしまいます・・・
シリーズから探偵役が居なくなるとは
まさに前代未聞の展開。
しかもシリーズは<新学期編>へと
続くのに・・・
本作では前作でかなりの不思議人として
描かれた探偵役伊神さんについて
その内面が語られる場面が増えています。
そして伊神自身も何かに囚われている
ような描写が・・・
果たして後編はどうなるのか、
非常に気になります。
を受賞し、デビューした似鳥鶏さん。
本作はその続編に当たります。
しかもなんと本書は前後編。
前作は長編でしたが、
本作は連作短編集。
しかも主人公である葉山くんが登場
しない話もあります(ネタバレですね・苦笑)
さらに探偵役である伊神さんが推理するのは
収録内4編中2編のみ。
そして断章という形で、伊神さんに関わる
謎めいた話が展開されます。
最終章「卒業したらもういない」で、
伊神さんは卒業してしまいます・・・
シリーズから探偵役が居なくなるとは
まさに前代未聞の展開。
しかもシリーズは<新学期編>へと
続くのに・・・
本作では前作でかなりの不思議人として
描かれた探偵役伊神さんについて
その内面が語られる場面が増えています。
そして伊神自身も何かに囚われている
ような描写が・・・
果たして後編はどうなるのか、
非常に気になります。
2007年11月08日
理由あって冬に出る
第16回鮎川哲也賞佳作入選作品。
筆者のデビュー作です。
完全なる学園ミステリ。人は一切亡くなりませんし、青春してるなあ(古いか・笑)という描写もあり、
いいですねえ。
主人公はワトソン役である葉山少年。美術部員です。
そして「探偵」役は・・・いやあ、これこそ「探偵」ですね。
偏屈なところもあるし、それでいて非常に鋭い。感情を出すこともなく、謎を追い続ける。
最後の最後まで彼だけは冷静でした。
まあ、この最後のシーンはプロローグ、そして小説冒頭と大きく関連するわけですが・・・
個人的には刑事の「大人に失望しないでくれよ」というセリフが好きです。
これシリーズ化してほしいのですが、たぶんないだろうなあ。