クリスマス・イヴにはクリスマスにまつわるミステリを紹介している
のが当該ブログなのです。
「クリスマスの猫丸」、「ポワロのクリスマス」、「クリスマスプディングの冒険」
「46番目の密室」、「三毛猫ホームズのクリスマス」etc・・・
でももうさすがに限界な気がします。
という訳で、表題作、故今邑彩さんの「七人の中にいる」を今回は
再掲になりますが、御領承下さい。
ペンション「春風」のオーナー村上昌子は21年前、
亡くなった夫・洋一と悪友・肇の三人で自らの出産費用のため、
葛西という医者一家の家に泥棒に入った。
本来なら、クリスマス・イヴの今日、家には誰もいないはずで
すんなりと手に入るはずだった。
しかし・・・
肇による凶行で一家を惨殺するという犯罪を犯してしまう。
それから21年後、「春風」に医者一家殺人事件の復讐予告が届く。
サスペンスで犯人も最初にわかってしまうかもしれませんが、
それでも、この7人それぞれが抱えている物語も読み応えがあります。
来年以降に備えて、クリスマスミステリを読んでおこう(笑
2015年12月24日
2015年04月18日
つきまとわれて
2013年に急逝された今邑さんの短編集。
ミステリ色とホラー色もある贅沢な短編集。
以下はAmazonさんの紹介ページから。
別れたつもりでいても、細い糸が繋がっている。
ハイミスの姉が結婚をためらう理由は別れた男からの「幸せな結婚ができると思うな」
という嫌がらせの手紙だったというが…。
表題作のほか、幼い頃に家出した母に纏わるあり得ない記憶を辿る「帰り花」、
ある絵画に隠された秘密に迫る「吾子の肖像」など前の作品の人物が登場する異色の短編集。
短編集はシリーズものではありませんが、
探偵の能勢陽子が登場するものが多く、また主人公だった人物が、
別の短編では脇役になっていたりと、話そのものに繋がりをもたせている点が特徴。
オススメは能勢探偵のある推理が見事な「六月の花嫁」、
肖像画に秘められた謎をめぐる「吾子の肖像」、
ストーリーが一変する&ある歪んだ愛情が描かれる「つきまとわれて」
オススメは挙げましたが、どれも甲乙付けがたい作品集。
中央公論社さんにはさらに復刊を御願いしたい。
ミステリ色とホラー色もある贅沢な短編集。
以下はAmazonさんの紹介ページから。
別れたつもりでいても、細い糸が繋がっている。
ハイミスの姉が結婚をためらう理由は別れた男からの「幸せな結婚ができると思うな」
という嫌がらせの手紙だったというが…。
表題作のほか、幼い頃に家出した母に纏わるあり得ない記憶を辿る「帰り花」、
ある絵画に隠された秘密に迫る「吾子の肖像」など前の作品の人物が登場する異色の短編集。
短編集はシリーズものではありませんが、
探偵の能勢陽子が登場するものが多く、また主人公だった人物が、
別の短編では脇役になっていたりと、話そのものに繋がりをもたせている点が特徴。
オススメは能勢探偵のある推理が見事な「六月の花嫁」、
肖像画に秘められた謎をめぐる「吾子の肖像」、
ストーリーが一変する&ある歪んだ愛情が描かれる「つきまとわれて」
オススメは挙げましたが、どれも甲乙付けがたい作品集。
中央公論社さんにはさらに復刊を御願いしたい。
2014年10月31日
人影花
今邑彩さんがこれまで書かれてきた
未収録短編を集めた一冊。
「鳥の巣」と「いつまで」はミステリというよりホラー小説。
筆者は「卍の殺人」がデビュー作かつ鮎川哲也賞という
新本格の旗手の一人ですが、ホラーも得意としてましたね。
表題作「人影花」は殺人は起きないものの、
現実でもあり得る話です。
表面上幸せに見えているが、実は各人それぞれ嘘をついているという。
「私に似た人」はタイトルからロアルド・ダールの「あなたに似た人」を
思い出しましたが、間違い電話から始まった物語が最後いったい
どういう結末で終わるのか、ラストの締め方は、
後の「神の目」「疵」にも繋がります。
今邑彩作品、まだまだ未読はあるので、
また読んでみようと思います。
未収録短編を集めた一冊。
「鳥の巣」と「いつまで」はミステリというよりホラー小説。
筆者は「卍の殺人」がデビュー作かつ鮎川哲也賞という
新本格の旗手の一人ですが、ホラーも得意としてましたね。
表題作「人影花」は殺人は起きないものの、
現実でもあり得る話です。
表面上幸せに見えているが、実は各人それぞれ嘘をついているという。
「私に似た人」はタイトルからロアルド・ダールの「あなたに似た人」を
思い出しましたが、間違い電話から始まった物語が最後いったい
どういう結末で終わるのか、ラストの締め方は、
後の「神の目」「疵」にも繋がります。
今邑彩作品、まだまだ未読はあるので、
また読んでみようと思います。
2013年03月16日
訃報
先ほどyahooトップのニュースで、
推理作家の今邑彩さんがお亡くなりなったとの記事を見ました。
大変驚いています。
先生の作品は中公文庫で復刊が続いていた事で、
もしかしたら新作も?なんて期待をしていたのですが・・・
大変ショックです。
ご冥福をお祈り致します。

推理作家の今邑彩さんがお亡くなりなったとの記事を見ました。
大変驚いています。
先生の作品は中公文庫で復刊が続いていた事で、
もしかしたら新作も?なんて期待をしていたのですが・・・
大変ショックです。
ご冥福をお祈り致します。

i(アイ)鏡に消えた殺人者―警視庁捜査一課・貴島柊志 (中公文庫)
- 作者: 今邑 彩
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2010/12/18
- メディア: 文庫
2012年11月25日
鋏の記憶
2012年10月04日
赤いべべ着せよ・・・
中公文庫からの復刊が続く今邑作品。
Amazonさんの紹介ページから。
「こーとろ、ことろどの子をことろ」。子とり鬼のわらべ歌と鬼女伝説が伝わる街・夜坂。
夫を亡くし、娘と二十年ぶりに帰郷した千鶴は、幼なじみの娘が殺されたと聞かされる。
その状況は、二十二年前に起きた事件とそっくりだった。その後、幼児が殺される事件が相次ぐ。
鬼の正体はいったい誰なのか。
幼児を殺す凄惨な事件を起こす殺人鬼と
ある母子を犯人と決めつけ、集団リンチに及ぶ千鶴の幼なじみたち。
どちらもとても恐ろしいですが、後者の集団心理によるものは本当に
怖いものがあります。
最後に千鶴がその息子を追っていきますが、彼と幸せになれるのか。
そして、最後に明かされる22年前の事件の真相。
やるせない結末です。
Amazonさんの紹介ページから。
「こーとろ、ことろどの子をことろ」。子とり鬼のわらべ歌と鬼女伝説が伝わる街・夜坂。
夫を亡くし、娘と二十年ぶりに帰郷した千鶴は、幼なじみの娘が殺されたと聞かされる。
その状況は、二十二年前に起きた事件とそっくりだった。その後、幼児が殺される事件が相次ぐ。
鬼の正体はいったい誰なのか。
幼児を殺す凄惨な事件を起こす殺人鬼と
ある母子を犯人と決めつけ、集団リンチに及ぶ千鶴の幼なじみたち。
どちらもとても恐ろしいですが、後者の集団心理によるものは本当に
怖いものがあります。
最後に千鶴がその息子を追っていきますが、彼と幸せになれるのか。
そして、最後に明かされる22年前の事件の真相。
やるせない結末です。
2012年06月24日
時鐘館の殺人
中公文庫で復刊&文庫刊行される今邑作品。
毎月楽しみにしてます。
さて本作はミステリー短編集と銘打っていますが、
「生ける屍の殺人」「隣の殺人」「あの子はだあれ」「恋人よ」の4編は
ミステリー色の濃いホラーかなと。
「生ける」は最後がまさにホラー。結局真相はわからぬまま。
「隣の殺人」は違う視覚からのホラーです。
「あの子」は悲しいホラー。全ては主人公とその弟の想像でしか
ありませんが、その想像は間違いであってほしい。
「恋人よ」は洒落怖やホラーテラーに絶対ありそうな話。
実際やられたら怖すぎ。
さてそんなホラー短編集の様相が強い気がしますが、
おおミステリだ!と言わしめるのが「時鐘館の殺人」でしょう。
本格謎解きミステリ+メタ小説という二つの要素で非常におもしろい。
そして、問題編には実は大きな重大なミスがあり、真犯人が別に居るのだという、
読者からの投書が届きます。
そして、描かれる真の解答編とは?
そして最後のメタで明かされる衝撃の真実(苦笑
この「時鐘館」は本当に一読の価値あり。
問題編を読んで、ミスリードの真相と真の真相の双方を
見破る事が果たしてできるのか?
ぜひ挑戦してみてくださいませ。
毎月楽しみにしてます。
さて本作はミステリー短編集と銘打っていますが、
「生ける屍の殺人」「隣の殺人」「あの子はだあれ」「恋人よ」の4編は
ミステリー色の濃いホラーかなと。
「生ける」は最後がまさにホラー。結局真相はわからぬまま。
「隣の殺人」は違う視覚からのホラーです。
「あの子」は悲しいホラー。全ては主人公とその弟の想像でしか
ありませんが、その想像は間違いであってほしい。
「恋人よ」は洒落怖やホラーテラーに絶対ありそうな話。
実際やられたら怖すぎ。
さてそんなホラー短編集の様相が強い気がしますが、
おおミステリだ!と言わしめるのが「時鐘館の殺人」でしょう。
本格謎解きミステリ+メタ小説という二つの要素で非常におもしろい。
そして、問題編には実は大きな重大なミスがあり、真犯人が別に居るのだという、
読者からの投書が届きます。
そして、描かれる真の解答編とは?
そして最後のメタで明かされる衝撃の真実(苦笑
この「時鐘館」は本当に一読の価値あり。
問題編を読んで、ミスリードの真相と真の真相の双方を
見破る事が果たしてできるのか?
ぜひ挑戦してみてくださいませ。
2012年04月14日
ブラディ・ローズ
美しい薔薇園を持つ屋敷の主人のもとに嫁いだ花梨。
彼の二番目の妻は謎の墜落死を遂げたばかりだったが、
主の妹・晶はじめ屋敷の一同は新しい花嫁を歓迎する。
やがて、花梨のもとに悪意をむきだしにした脅迫状が届くようになり―。
差出人はいったい何者なのか?傑作サスペンス長篇。
奇妙な館に、奇妙な住人、そして届く脅迫状。
日常生活とは完全に隔離された「薔薇屋敷」
もうどこをとっても怪しすぎるのですが(笑
脅迫状の送り主、そして付きまとう「雪子」の影・・・
花梨は見事謎を解き明かしますが、
この屋敷に住んでいる人々は、あまりに俗世間から
離れすぎているよな・・・
使用人までもが毒されているというのが恐ろしいです。
最近今邑さん読んでます。たぶん今後も読み続けてますね。
彼の二番目の妻は謎の墜落死を遂げたばかりだったが、
主の妹・晶はじめ屋敷の一同は新しい花嫁を歓迎する。
やがて、花梨のもとに悪意をむきだしにした脅迫状が届くようになり―。
差出人はいったい何者なのか?傑作サスペンス長篇。
奇妙な館に、奇妙な住人、そして届く脅迫状。
日常生活とは完全に隔離された「薔薇屋敷」
もうどこをとっても怪しすぎるのですが(笑
脅迫状の送り主、そして付きまとう「雪子」の影・・・
花梨は見事謎を解き明かしますが、
この屋敷に住んでいる人々は、あまりに俗世間から
離れすぎているよな・・・
使用人までもが毒されているというのが恐ろしいです。
最近今邑さん読んでます。たぶん今後も読み続けてますね。
2012年02月18日
盗まれて
2012年01月22日
そして誰もいなくなる
クリスティの古典的傑作「そして誰もいなくなった」、
この作品が後のミステリに与えた影響は計り知れません。
あえて語るまでもなく、傑作ですよね。
名門女子校の式典の最中、演劇部による
『そして誰もいなくなった』の舞台上で、服毒死する役の生徒が
実際に死亡した。
そしてその後も部員たちが芝居の筋書き通りの順序と
順番で殺されていく・・・
誰が、何のために?!
演劇部部長の江島小雪は顧問の向坂典子とともに
姿無き犯人に立ち向かうが・・・
色々とご批判もあるのだろうなと思うのですが、
かなり僕は楽しめました。
このタイトルの意味、最後まで読んでようやくわかりました(笑
いやあ、単なるクリスティへのオマージュ、ではなく、
そこにしっかりとした意味があるというのは良かったです。
なぜ見立て殺人を行うのか?
という所には常に疑問を持って当たらなければならない。
この物語の中でとある人物が見事に看破してますが、
このトリックが見破れれば、犯人もわかるという。
これって、見立てをメイントリックとしている作品には
おおよそ当てはまりそうですよね。
個人的には、高城がどこまで真相を見抜いていたのか
(物語上は全くわかっていないっぽい感じですが)
なんだかおおよそは検討ついてたんじゃないかと勝手に想像。
どうしてもクリスティのものと比較や亜流のように
タイトルから感じてしまうかも知れませんが、
物語はそんな単純ではなく、しっかり作り込まれてます。
最後の最後まで楽しませてくれた作品でした。
この作品が後のミステリに与えた影響は計り知れません。
あえて語るまでもなく、傑作ですよね。
名門女子校の式典の最中、演劇部による
『そして誰もいなくなった』の舞台上で、服毒死する役の生徒が
実際に死亡した。
そしてその後も部員たちが芝居の筋書き通りの順序と
順番で殺されていく・・・
誰が、何のために?!
演劇部部長の江島小雪は顧問の向坂典子とともに
姿無き犯人に立ち向かうが・・・
色々とご批判もあるのだろうなと思うのですが、
かなり僕は楽しめました。
このタイトルの意味、最後まで読んでようやくわかりました(笑
いやあ、単なるクリスティへのオマージュ、ではなく、
そこにしっかりとした意味があるというのは良かったです。
なぜ見立て殺人を行うのか?
という所には常に疑問を持って当たらなければならない。
この物語の中でとある人物が見事に看破してますが、
このトリックが見破れれば、犯人もわかるという。
これって、見立てをメイントリックとしている作品には
おおよそ当てはまりそうですよね。
個人的には、高城がどこまで真相を見抜いていたのか
(物語上は全くわかっていないっぽい感じですが)
なんだかおおよそは検討ついてたんじゃないかと勝手に想像。
どうしてもクリスティのものと比較や亜流のように
タイトルから感じてしまうかも知れませんが、
物語はそんな単純ではなく、しっかり作り込まれてます。
最後の最後まで楽しませてくれた作品でした。