まずはAmazonさんの紹介ページから。
島育ちの仲良し小学生四人組。
あの日「ゆーちゅーばー」になることを夢見た僕らの末路は……(「#拡散希望」)。
マッチングアプリでパパ活。リモート飲み会と三角関係。中学受験と家庭教師。
精子提供と殺人鬼。日常に潜む「何かがおかしい」。その違和感にあなたは気づくことができるか。
新時代のミステリの旗手による、どんでん返しの五連撃。
日本推理作家協会賞受賞作を含む、傑作短編集。(解説・村上貴史)
以下、ネタバレありです。
名作揃いです。
SNS、キラキラネーム、マッチングアプリ、リモート、精子提供、Youtubeと、
現在の主要な話題、流行を全ての短編に使用していて、現在のミステリというのが
極めて強く出ています。
その意味での名作揃い。
「惨者面談」は、うーん、あえて私は「キラキラネーム」という区分で
紹介したのですが、それは名前の呼び方が本作での鍵だからです。
(別にキラキラネームは登場しません。むしろそれは「#拡散希望」ですね。)
むしろ、3名のうち、2名がその家と関係ないというところが、
現代的なのかもしれませんね。
「ヤリモク」は、そもそも「ヤリ」とは何かというところを突いた盲点的な作品。
最後に主人公にとっては、悲劇が起こりますが・・・
「パンドラ」は何とも言いようがない作品。
まあ、血液型は普通事前に確認するだろうという感想しかない。
「三角奸計」はリモート飲み会を上手く使った作品。
しかし、「ヤリモク」も「パンドラ」もそうですが、この3作品ともヤバイ人が
登場しますね。
「♯拡散希望」は、人口の少ない島で暮らす、たった4人しか居ない小学生の物語。
これは、いやあ、現実に起きていてもおかしくない話ですね。
でも、彼彼女たちの親は、子どもが大きくなった時、どうバレないように
するつもりだったのだろうか。
とてもじゃないですが、中学生になれば、さすがにわかるでしょう。
(島外に出る機会があれば、当然触れるはず。)
ある意味期間限定で、親たちはやるつもりだったのかもしれませんが、
その前にバレてしまったのか。
しかし、この島を見つけて突撃してきた人を殺害するというのが
もはや常軌を逸してますね。
でもこれも、もうフィクションです、では通らない世の中になっていると思いますが。